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「超」を測る方法

読売新聞の読者の質問に、科学館の学芸員が答えた内容を紹介します。

質問:
「微小な単位の重さ(ナノグラム)、長さ(ミクロン)、時間(マイクロセコンド)はどのように測定するのか」

お答え:

まず重さについて、1マイクログラム(100万分の1g)までは化学天秤(精密天秤)を使って直接計ることができます。質問にあるナノグラム(10億分の1g)になると直接計るのではなく、いろいろな物質の混合物(例えば土や食品など)をクロマトグラフィーという機械を使って物質の化学的性質の違いによって分離し、ある物質について、サンプルの中にその物質の分子が何個含まれているかを調べます。分子1つの重さは理論的にわかっているので、分子が○個だから何ナノグラムと分かるのです。現在はこれらを一気に行う質量分析器が一般的です。

次にミクロン(正確にはマイクロメートル:100万分の1メートル)ですが、これは直接測れます。ノギス、マイクロメーターなどを使います。また、顕微鏡などで1000倍に拡大して、それが1mm(1000分の1m)に見えれば、実際には1マイクロメートルというふうにしても分かりますし、逆に精密な物差しを正確に縮小コピーしたら精密なマイクロ物差しができます。

微小時間についてはすごいです。1秒間に9,192,631,770回も振るえる原子(133Cs)を「振り子」として使う原子時計というのがあります。原理的にはマイクロセコンド(100万分の1秒)どころか、9,192,631,770分の1秒まで計れることになります(実際はもっと正確です)。日常生活でよく使われるクォーツ(水晶時計)でも、多いもので一秒間に1億回も振るえる水晶の結晶を使っていますので、正確なものでは1億分の1秒まで計れます。






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