当館天文担当職員の名前が、小惑星につけられました
先ごろ、国際天文学連合は、1990年に発見された小惑星No.8492にkikuokaという名称をつけました。これは、当館の主任学芸員、菊岡秀多を記念してつけられたものです。小惑星kikuokaの軌道要素と今年7月〜9月の位置はこちらです。

天体の名称について

天体の名称は、現在国際天文学連合(IAU)が管理しており、一定のルールのもとに命名されています。その中で、生存中の個人の名前がつくことがあるのは、新発見の彗星と小惑星のみです。小惑星とは、主に火星と木星の中間の軌道をめぐる直径1000km以下の小天体で、現在までにおよそ5万個が発見されています。

彗星は、イケヤ・セキ彗星やヒャクタケ彗星などのように、発見者の名前が発見順に3人までつけられることになっています。一方、小惑星は発見し、その運動を追跡したものに「名前の推薦権」があたえられ、現実にあるもので政治などにかかわらないものから名前の候補をあげることができます。また、名前の売り買いは一切認められていません。少なくとも正式に星の名前を買うことはできません。詳しくはIAU FAQをご覧下さい。

大阪・日本に関係する小惑星の名称

大阪に関連した名前としては、小惑星naniwa(浪速区より)、nanba(難波より)があり、いずれも大阪出身の天文学者、古川麒一郎氏によって推薦されたものです。また、日本人の名前がついているものとしては、小惑星kanda(神田元東京天文台長)、kodaira(小平国立天文台長)などがあります。

今回の小惑星kikuokaは、イケヤ・セキ彗星の発見者であり、この小惑星の追跡をしていた関勉氏が推薦した名前です。日本天文同好会の創設者であり、会長を永く勤め、電気科学館の時代より日本のプラネタリウム解説の第一人者として活躍を続けている菊岡を記念して名前が推薦されました。他に元大阪市立電気科学館職員の黒田武彦氏と佐伯恒夫氏(故人)に関しても小惑星kurodaとsahekiいう名前がつけられています。

プラネタリウムは来館者と解説者が作る世界です。菊岡の解説を聞いてくださった方に感謝し、この喜びをわかちあいたいと思います。ありがとうございました。

なお、他に小惑星の名前のリストは、NASA/JPLのページを。小惑星そのものの解説や、日本に関する小惑星については、日本スペースガード協会のページを参照してください。

このページ4月9日に若干の修正

 


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