北海道でオーロラが観測される
4月7日未明と、7日の夕方〜8日の明け方にかけて北海道の陸別などでオーロラが確認されました。名古屋大学のSTE研究所陸別観測所の無人カメラや、同じ陸別の銀河の森天文台などが観測に成功しています。

オーロラは、太陽からの電気を帯びた粒子の流れ(太陽風)が、地球の上層大気に衝突して起こる現象です。通常は「極光」「Northan Lights」ともいわれる通り、北極・南極に近い高緯度地方で観測されます。これは、極地方で、太陽風の侵入を防ぐ地球磁場のバリヤーが低いところにあるためです。

しかし、ごくまれに、ニューヨークやロンドンなど北緯50度程度でも見られることがあります。こうした「低緯度オーロラ」は、図のように非常に大規模なオーロラの上端を見るもので、おおむね北の空が赤っぽく見える現象となります。

低緯度オーロラの説明図

これは、太陽風が非常に激しく地球に吹きつけるときに起こるもので、11年ごとに訪れる太陽活動の極大期に多く見られます。現在は、まさにそうした極大期にあたっており、「低緯度オーロラ」が見えるだろうと期待されていました。

なお、過去には、より緯度の低い、滋賀や高知などでも観測されたことがあり、江戸時代にも「赤気」として北の空が赤っぽくみえる現象として記録されています。大阪でも見られる可能性があるわけですが、低緯度オーロラは淡い光であり、星がよく見えない街中ではたとえ現れていても誰も気がつかないかもしれません。

科学館の展示では、4階に太陽風と地球磁場を示す立体模型があります。オーロラの大きなパネルもその横に示しています。また、3階には、グロー放電の実験装置がありますが、これはオーロラと同じ原理で発光する現象です。


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