中質量ブラックホールの存在確認

  NASAのX線観測衛星チャンドラ(Chandra) が爆発的星形成銀河M82に 重さが太陽の500倍という”中質量”のブラックホールがあることを確認しました。
   これまでブラックホールには?質量が太陽の数倍〜10倍程度のもの (重い星の最終進化段階として生成)と?銀河の中心にあって質量が太陽の数千万倍〜 数億倍という巨大なもの、の2種類しか見つかっていませんでした。
  どうしてその中間の大きさのブラックホールが無いのか、あるとすれば どこにあるのか、が大きな疑問になっていました。
  今回チャンドラはM82の中心から少しずれたところに約10分間ほどで 明るくなったり暗くなったりするX線源を発見したのです。その明るさや変動の速さから、太陽 500個分の重さが月程度の大きさのところに詰め込まれたプラックホールであると推定され ます。ついに「失われたブラックホール」が確認されたのです。
  大半の銀河はその中心に巨大なブラックホールを持っていることが分かっ ています。太陽数百個分のブラックホールは、銀河形成の初期段階で多数作られ、 やがて銀河の中心へと落ち込んで巨大ブラックホールに合体していくと考える研究者もいます。 今後銀河中心の巨大ブラックホールがどのようにして出来るのか、 銀河の形成との関係はどのようなものか、など、研究が進むことが期待されます。
  なお今回の発見には日本の研究者も多数寄与しています。
本文は英語ですが、
http://chandra.harvard.edu/photo/cycle1/m82bh
です。


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