宇宙一大きい渦巻き銀河!?

60億光年かなたの渦巻き銀河の観測

  銀河がどのように誕生し、どのように様々な形の銀河に変わってきたのか。 これを明らかにすることは天文学において21世紀に持ち越される最重要課題の一つです。
  ではどうしたら明らかにできるのか。
  遠くの銀河、すなわち、昔の銀河を観測してその性質を調べればいいのです。 しかし、遠くの銀河は暗く小さくしか見えませんので、観測するためには大きな望遠鏡 と最新の観測装置が必要となります。
  今回ヨーロッパ南天文台(ESO)の研究グループが超大型望遠鏡(VLT) に最新型赤外線カメラ(ISOCAM)を取り付けて、60億光年かなた (すなわち、60億年前の宇宙)の渦巻き銀河を観測し、銀河系の5倍ほどの 重さを持つことを明ら かにしました。今まで調べられた渦巻き銀河の中でも一番重いものです。 銀河の重さを測るのは難しいのですが、銀河を形作る星の運動から推定しました (銀河が重いほど星は速く動く)。
  60億年まえにすでにこんなにりっぱな渦巻き銀河があることは、 銀河の形成がもっとずっと早かったことを示しています。21世紀には観測が進んで、 宇宙の通史の暗黒部分が明らかにされていくことを期待しましょう。

原文は英語ですが、 ESOのプレスリリースをごらんください。

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