2001年の主な天文イベント
毎月の天文イベントはこよみハンドブックに掲載していますが、その中からみごたえがあったり、めずらしいものをピックアップします。

1月

全般: 金星 夕方
みごたえ度 ★★★☆☆ めずらし度 ★★☆☆☆

1月17日太陽と金星が一番離れます。12月にはすでに見やすくなっていましたが、さらに目立つようになるでしょう。この状態は3月ごろまで続きます。望遠鏡で見ると半月の形に見えます。28日、29日には、月とならび、みごたえがアップ。
【観察方法】夕方の帰宅途中にでも南西の空を見ると、かんたんに見つかります。デジタルカメラやビデオカメラでも記録することができます。

4日: りゅう座イオタ流星群 未明
みごたえ度 ★★★☆☆ めずらし度 ★★★☆☆

北の空のりゅう座イオタ星を中心に、多数の流れ星が見られます。りゅう座イオタ星は北斗七星の近くにある星です。でもこの星がわからなくても、流れ星を見るには差し支えありません。
【観察方法】ゆったりとイスにもたれて、北の空を広く見渡してください。30分間はがんばりましょう。寒さ対策注意。時間は夜ならいつでもいいですが、明け方に多くなると予報されています。

10日: 月食 未明
みごたえ度 ★★★★☆ めずらし度 ★★★☆☆

夜明け前の、3時42分から月食がはじまり、4時50分〜5時52分まで地球の影に完全にかくされる「皆既(かいき)」状態になります。その後、影からでた月は欠けたまましずんでいきます。またこの月食の最中に、ふたご座デルタ星が月にかくされます。3等星なので、大阪では肉眼で見えるかどうかです。大阪では4時18分にかくされ、5時16分にでてきます。
【観察方法】パッと見ても赤っぽい月が見えておもしろいですが、双眼鏡や望遠鏡でじっくり変化を観察するとおもしろい。特に、いつかけはじめたをチェックしてみよう。

2月

全般: 金星 夕方
みごたえ度 ★★★☆☆ めずらし度 ★★☆☆☆

22日に金星が最も明るく輝きます。昼間の空に見つけることもできるかもしれません。望遠鏡で見ると半月がややかけた形に見えます。26日、27日には、月とならび、みごたえがアップ。
【観察方法】夕方の帰宅途中にでも南西の空を見ると、かんたんに見つかります。デジタルカメラやビデオカメラでも記録することができます。

2日: 木星と土星に月が接近 夕方
みごたえ度 ★★★☆☆ めずらし度 ★☆☆☆☆

木星と土星は昨年20年ぶりの接近をし、現在次第にはなれつつあります。でもまだお互いに近くにあります。月が接近する2日は、これらの星を確認するチャンスです。
【観察方法】夕方の帰宅途中にでも南西の空を見ると、かんたんに見つかります。土星の環を見るには、最低50倍程度の倍率が出せる望遠鏡が必要です。

特になし。惑星は木星と土星、夜更けには火星が見えます。

5月

特になし。夜更けには火星が見えます。金星は5日の明け方によく見えています。

6月

21日: アフリカで皆既日食 夜
みごたえ度 ★☆☆☆☆ めずらし度 ★★★☆☆

アフリカ南部で皆既日食が見られます。インターネットでの中継なども予定されていますが、生で見ようと思うと、アフリカにいかなければいけません。現地でのみごたえ度は★★★★★です。
【観察方法】テレビやインターネットで見てください。ツアーもでるようですが、急がないと予約がいっぱいになったり、ビザがとれなくなったりすると思います。

22日: 火星最接近 夜
みごたえ度 ★★★★☆ めずらし度 ★★★★☆

火星は2年2ヶ月ごとに地球に接近します。軌道の関係で接近距離は倍近くも違いますが、今回と次回は大変条件がよく、赤々とした火星がよく見えるでしょう。接近の1ヶ月くらいはよく見える時期に当たっています。
【観察方法】肉眼でも赤く見えますが、できれば大型の望遠鏡で模様などを観察したいものです。梅雨時なのが気がかりですが、科学館でも観望会を予定しています。

7月

全般: 火星が見頃 夜
みごたえ度 ★★★☆☆ めずらし度 ★★★☆☆

先月、接近した火星が見頃です。すぐそばにさそり座のアンタレス(火星の敵)という名前の赤い星が見えるのも興味深いものです。
【観察方法】肉眼でも赤く見えますが、できれば大型の望遠鏡で模様などを観察したいものです。

5日: 月食 夜
みごたえ度 ★★★☆☆ めずらし度 ★★★☆☆

地球の影に完全にかくされる「皆既(かいき)」状態にはならない、部分月食ですが、十分みごたえはあります。かけはじめは22時35分、かけおわりは1時15分ですが、実際にはもう少しかけている時間は長く感じると思います。
【観察方法】パッと見てもおもしろいですが、双眼鏡や望遠鏡でじっくり変化を観察するとおもしろい。特に、いつかけはじめをチェックしてみよう。また、かけぎわの色に注目するのもいいでしょう。

8月

6日: 金星と木星が接近 明け方
みごたえ度 ★★★★☆ めずらし度 ★★★★☆

明け方の空に、金星と木星が接近します。全天1位と2位の星の競演です。同程度の接近は1年に1度くらいありますが、観察の条件がそろうのはちょっとめずらしいことです。
【観察方法】夜明け前の空を見ると、目につきます。

12〜13日: ペルセウス座流星群 明け方
みごたえ度 ★★★☆☆ めずらし度 ★★★☆☆

北の空のカシオペヤ座のとなりのペルセウス座を中心に多数の流れ星が見られます。月明かりがじゃまをするため条件はやや悪いですが、十分楽しめるでしょう。明け方の空には木星、金星、土星もせいぞろいし、花を添えてくれます。
【観察方法】夜10時以降から明け方まで見えます。寝転がって空を広く見渡してください。30分間はがんばりましょう。

16日: 木星食 明け方
みごたえ度 ★★★★★ めずらし度 ★★★★★

細い月に木星がかくされます。明るい木星が月に接近する様子は不思議な美しさがあります。時間帯が悪いのですが、3時02分〜3時54分までがかくされる時間。その前後が見応えがあります。また、木星の衛星も次々とかくされていきます。前回日本で見られたの木星食は、1994年12月30日、次回は2009年2月23日になります。
【観察方法】肉眼でも美しい現象ですが、双眼鏡や望遠鏡でじっくり見るとおもしろいでしょう。デジタルビデオのズームでも見えると思われます。露出やピントをマニュアルにするのがポイントです。

25日: くじら座のミラが極大 夜中
みごたえ度 ★☆☆☆☆ めずらし度 ★★★☆☆

くじら座の長周期変光星ミラが最も明るくなるのがこのころです。330日ごとに明るくなるのですが、来年以降は極大期にくじら座が見えにくくなるので、今年くらいが最後のチャンスでしょうか。
【観察方法】くじら座の形がわからないと、おもしろさがわかりません。大阪では双眼鏡が必要かもしれません。経験者向けの現象ですね。

9月

特になし。明け方に木星、土星、金星が見えます。14日には月が競演します。

10月

: 土星と月が接近 明け方
みごたえ度 ★★☆☆☆ めずらし度 ★★★☆☆

北日本では、土星食になりますが、大阪では接近するだけです。双眼鏡や望遠鏡で見るとちょっとおもしろいかもしれません。最接近は3時43分ごろです。
【観察方法】双眼鏡で見てください。望遠鏡では50倍程度の低倍率で。

30日: 水星と金星が接近 明け方
みごたえ度 ★★★☆☆ めずらし度 ★★★☆☆

水星はいつも太陽のそばにあり、見つけるのが難しい星ですが、この日は全天1明るい金星がそばに寄り添い見つけやすくなります。
【観察方法】肉眼でも探せますが、双眼鏡で見るとより楽しい。望遠鏡では50倍程度の低倍率で。

11月

18日・19日: しし座流星群 明け方
みごたえ度 ★★★★★ めずらし度 ★★★★★

今年最大の天文ショーになる「かも」しれません。特に19日の未明に、しし座流星群がピークを迎え、1時間に1万個程度の流星雨になる「かも」という予報が出されています。予報を出したアーマー天文台のアッシャー博士は、ここ数年のしし座流星群の極大をほぼぴたりと説明する計算方法を開発した人です。科学館では観察方法などのご紹介を予定しています。
【観察方法】夜11時以降、ゆったりとねころがって空を広く見渡してください。1時間はがんばりましょう。寒さ対策注意。ピークの予報は2時30分と3時20分とされています。

12月

全般: 木星、土星がみごろ
みごたえ度 ★★☆☆☆ めずらし度 ★★☆☆☆

木星と土星が夜半の空によく見えるようになってきます。土星は望遠鏡で見ると環が見応えがある状態にあります。
【観察方法】夜中に明るい星が木星です。土星は、西にややはなれた場所にあり、おうし座におじゃましています。木星は肉眼でも「あれはなんだろう」というくらい。土星は望遠鏡で見るとみごたえがあります。

14日: ふたご座流星群 夜半
みごたえ度 ★★★★☆ めずらし度 ★★★☆☆

毎年安定した活動を見せる、ふたご座流星群が極大を迎えます。夜半すぎに条件は最高になります。
【観察方法】夜8時以降、ゆったりとねころがって空を広く見渡してください。30分はがんばりましょう。寒さ対策注意。

30日: かすかな月食 夜半
みごたえ度 ★★☆☆☆ めずらし度 ★★★☆☆

今年3回目の月食ですが、半影食といって、はっきりかけた様子はわかりません。17時25分〜21時33分ですが、かけて見えそうなのは、20時前後です。
【観察方法】かけて見えるかどうか、双眼鏡でチェックしてみましょう。


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