太陽系外惑星発見ラッシュ

宇宙には地球以外に生命の星があるか?

  日米欧共同の巨大電波望遠鏡群設置プロジェクト「ALMA(アルマ)」計画がスタートしました (アルマ計画については国立天文台ALMAのページ、 もしくはヨーロッパ南天文台のページをご覧下さい)。
  このアルマ計画の目的の一つは「第2の地球さがし」です。 地球のように小さくて、太陽の光を浴びるだけで自分では光っていない星(惑星)は 遠く離れた場所から探すのはとても難しいのですが、巨大な望遠鏡をたくさん組み合わせて 観測するアルマ計画が実現すれば発見できるのではないか、と期待されています。

  さて、そのアルマ計画スタートを報じた6日のあるテレビのニュース番組 でキャスターが「太陽系以外では惑星は見つかっていないんですよねー」とコメントしてい ましたが、これは正しくありません。
  見つかっていないのは地球サイズの小さな惑星であって、木星サイズの もの(地球の重さの100〜1000倍程度)は現在63個見つかっています

  このうち半数はジュネーブ天文台(スイス)、 オート-プロバンス天文台(フランス)、ケンブリッジ大学(アメリカ)の3チームが発見しています。
  最近この3チームがヨーロッパ南天文台やハワイのケック望遠鏡を使い、 新たに11個の太陽系外惑星を発見しました。

  見つかった惑星の中で特に注目されるのは、HD28185という星の周り に発見されたもので、公転軌道半径(星とその惑星との距離)が太陽-地球間の距離と ほぼ同じでした。
  地球は太陽からほどよく離れており、熱くもなく寒くもなく、生命が存在するのに 適しています。HD28185の惑星も生命の星か?期待が大きく膨らみますが、残念ながら その惑星の大きさは木星の3.5倍もありますので、おそらく木星と同じよう に、水素とヘリウムが主成分で地面のない惑星でしょう。生きものが暮らすにはちょっと 不向きです。 しかしながら、太陽系のことを考えてみますと、地球や木星など大半の惑星にはお月さま (衛星)が回っています。
  HD28185の惑星の周りにも衛星があったとしてもおかしくはありません。 その衛星が生命の星である可能性は大いにあります。

  今後、アルマをはじめ、すでに観測を開始している大型望遠鏡 (たとえばすばる望遠鏡VLTなど)で太陽系外惑星さがし の競争がますます激しく、そしてますます実りの多いものとなっていくことでしょう。

原文は英語ですが ヨーロッパ南天文台のプレスリリースをご覧下さい。


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