HETE−2の活躍

ガンマ線バーストの残光を観測

   宇宙最大の爆発現象である「ガンマ線バースト(GRB)」。 その正体は謎に包まれており、「天文学最大のナゾ」とも言われています。

  ガンマ線バーストの正体については、ブラックホールと中性子星の合体、 けた違いの超新星(ハイパーノバ)、といった案が出されていますが、ガンマ線を出す のが一瞬であること、宇宙論的な距離にあること、などから、決め手がなかなか得ら れないのが現状です。

ガンマ線バーストを観測するHETE-2のイメージ図   2001年9月21日、ガンマ線観測衛星HETE(へティ)-2によって、新たに ガンマ線バーストが発見されました。 このガンマ線バースト(GRB010921)の発見はガンマ線バーストの正体を探る上で大きな意味を もつかもしれません。

  HETE-2によってガンマ線バーストの位置が数秒で割り出され、 地上の望遠鏡によって可視光や電波の残光が観測されたのです。これらの残光 を詳しく調べれば、その正体が明らかになります。
  さらに、GRB010921には他のガンマ線バーストにない特長があります。 いままで発見されたガンマ線バーストは100億光年ものかなたにあったのに対して、 GRB010921は"たった"50億光年しか離れていなかったのです。 近ければそれだけ詳しく調べることができます。

  ガンマ線バーストの謎が解かれる日も近いかもしれません。

  HETE(へティ)−2は日本の理化学研究所やアメリカのNASAなどが 共同で打ち上げたガンマ線観測衛星です。 なぜHETEが2号機なのか、どのような性能なのかは、プラネタリウム「謎のガンマ線天体」 をご覧ください(投影は11月25日までです)。

※原文は英語ですが、 NASAゴダード宇宙センターのプレスリリースをお読みください。
記:2001.11.09

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