酸性食品・アルカリ性食品
                                     (記:2001.7.31)   
   健康ブームで何を食べると身体に良い、この運動が○○にとても効くなどと巷でとても流行っています。その中に、よく出てくるのが「酸性食品とアルカリ性食品」の話というのがあります。さてこの酸性食品と、アルカリ性食品とは一体何でしょうか。

酸性食品とは?アルカリ性食品とは?
  酸性・アルカリ性を区別するのにpHというものがあり、0から14までの数字で表されます。酸性は、0<pH<7、アルカリ性は7<pH14で分けられ、pH=7が中性となります。

 食品も酸性アルカリ性に分けることができます。いや、分けて意味付けていたことがありました。分け方は、単に口に入れた時、酸っぱいから酸性というものではありません。
食べ物を燃やしてできた灰を水に溶かして、酸性になるかアルカリ性になるかで判断しました。

酸性食品という物には、イオウ、リン、塩素といったものが多く含まれ、アルカリ性食品にはカリウム、ナトリウム、マグネシウム等といった物が多く含まれており、これらの作用によって酸性になったり、アルカリ性になるのです。

 

酸性食品

(ブタ、牛、鳥)、魚、卵、米、チーズ、バター、清酒、落花生…

 

ニンジン、ほうれん草、みかん、レモン、梅干し、コンブ、コーヒ-…

 

身体にいいのはアルカリ食品…?
   身体のためには、アルカリ食品をたくさん取りましょうという情報を良く耳にします。身体の中をアルカリにして、健康になるとかならんとか…。
   では、本当にアルカリ性食品をたくさん食べると身体の中、血やリンパ液などがアルカリ性になるのでしょうか。酸性食品ばかり取ると身体の中が酸性に?

今から50年ほど前に、極端な酸性食品、アルカリ性食品ばかりを10日間食べてもらい、その結果で血液が変化するかどうかを調べた実験があります。実験の結果、血液のpHは、正常範囲pH7.327.42だったということです。

   実際血やリンパ液などは、どちらに分類されている食品を食べても、pHが大きく変化することはありません。人間だけでなく、例えば草食動物の血液も肉食動物の血液も弱アルカリです。これは、体内に血液のpHを調整する機構があるからです。呼吸での炭酸ガス排出や、尿などによって体内が常に弱アルカリになるようになっているのです。もし、血液が上に示した範囲のpHを越えてしまっていたらそれは、食品のせいではなく、体内の代謝がうまく行かないなどの病気のせいになります。

   一時は、栄養学の教科書などにも記されていた、酸性食品・アルカリ性食品の分別…。今は省みられることもなくなりました。食べ物などに関しては、このような話が多いのでご注意を。まんべなく、いろいろな食べものを適度に食べればいいんですよね。

でも,食べ過ぎてしまうのが今の世の中…ご注意を。

 

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