2002年ノーベル物理学賞にニュートリノ天文学のパイオニア小柴氏
2000年の白川さん、2001年の野依さんにつづいて、2002年も日本人、小柴昌俊(こしばまさとし)さんがノーベル賞(物理学賞)を受賞しました。

物理学賞の受賞は、1949年の湯川秀樹、1965年の朝永振一郎、1973年の江崎玲於奈に続いて日本人では4人目となります。天文学関連では初の受賞です。

受賞したのは東京大学名誉教授の小柴昌俊さんです。1987年2月に大マゼラン星雲で起こった超新星1987Aの爆発によるニュートリノの放出を、岐阜県神岡にある東大宇宙線研究所のカミオカンデという装置で初めてキャッチするなど「ニュートリノ天文学」の創始者としての受賞となりました。当時の様子は読売新聞中部版の記事などに活写されています。また、講談社のブルーバックスにも小柴さんの著による「ニュートリノ天文学」があります。品切れ状態でしたが、今回の件でまもなく入手できるようになると思われます。

なお、同時に受賞したのは、アメリカのレイモンド・デイビス・Jr氏(ニュートリノ天文学の創始者)と、同じくアメリカのリカルド・ジャコーニ氏(X線天文学の創始者)です。なお賞金は小柴さんが、レイモンド・デイビス・Jrと同じタイトルを半分ずつ、全体としては1/4を受け取るとのことです。

なお、大阪市立科学館ではノーベル賞を受賞するきっかけとなったカミオカンデに実際につかわれたものを、東大宇宙線研究所のご厚意で展示しています。

参考:ノーベル財団ホームページ(英語です)   同じく受賞についての公式発表(日本語・PDF)


2002.10.8記


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