超新星爆発とブラックホールの関係

爆走するブラックホール

 太陽の8倍以上の質量を持つ重い星はその最期に大爆発(「超新星爆発」)を 起こし、中性子星やブラックホールを残すと考えられています。
 ブラックホール候補天体は今まで十数個見つかっていますが、今まで超新星爆発との関係を示す 直接的な証拠は見つかっていませんでした。
 今回、ヨーロッパ宇宙機構(ESA)およびアメリカ航空宇宙局(NASA)の共同チームが ハッブル宇宙望遠鏡を使って、さそり座にあるGRO J1655-40というブラックホール(候補天体) を調べて、ブラックホールが超新星爆発によって誕生した証拠をつかみました。

 このブラックホールは普通の星と連星になっていて(周期2.6日)、その星の動きを ハッブル宇宙望遠鏡で1996年から2001年まで詳細に観測したところ、時速40万kmという ものすごいスピードで移動していることが分かったのです。
 このブラックホールを作った超新星爆発が等方的(四方八方同じ勢い) でなかったために、ブラックホールとそのオトモの星がパチンコ玉のようにはじけ飛んだもの と考えられます(中性子星についても同じように高速で移動するものがいくつか見つかっています。 たとえば「ギター星雲」)。
 

本文は英語ですが、
 ハッブル宇宙望遠鏡のホームページ
 ESAのニュースリリース
をご覧ください。

2002.11.23記

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