2002年のノーベル化学賞

 2002年度のノーベル化学賞は、昨年、一昨年前の野依、白川両氏、また今年度の物理学賞の小柴氏に続き、田中耕一氏(島津製作所勤務)の受賞となりました。受賞理由は、「生体高分子の質量分析法のための穏和な脱着イオン化法の開発」です。
生体タンパク質の構造や、種類を決めるのに質量分析を行います。この方法の一つとして、田中氏は、1987年にレーザーを用いて、調べたい資料を細かく分断し、そこにあった分子を調べる方法を開発したと報告しました。このレーザー技術を生体高分子の分析に応用したということで、今回の受賞となりました。この方法により、世界中の研究所でタンパク質の分析が簡単に行えるようになり、新薬の開発や、早期ガンの発見などに応用されています。

今回の受賞は、ヴァージニア・コモンウェルズ大学のジョン・B・フェン氏、Aスイス連邦工科大学のグルト・ビュートリッヒ氏らとの受賞となりました。3人とも「生体高分子の同定及び構造解析のための手法の開発」による受賞となります。
今回の受賞理由について、ノーベル財団からのリリースがありますのでそちらもご覧く
ださい。


                                            (2002.10.10記)

                                      

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