DIRWIN計画

宇宙生物の探し方

 太陽系外惑星はここ数年で100個以上発見されています(例えばカリフォルニア大学系外惑星探査グループ)が、 地球以外の生命の星はまだ見つかっていません。
 では、どのようにしたら、生命の星は見つかるでしょうか?「生命の兆候」とは一体どのようなものなのでしょうか? 
生命の兆候:オゾン、二酸化炭素、水(ESA 2001. Illustration by Medialab)
 有名なものでは、宇宙生物が出す電波を探す、という方法があります(例えばSETI)。 しかし、地球のことを考えてみると、人間が電波を使うようになったのは、ここ100年足らずの話です。 地球の歴史は46億年ありますから、この割合が他の星でも成り立つとすると、地球型の惑星を発見した時に、その星に電波を出している生命が存在する確率はおよそ50000000分の1です。
 一方、バクテリアは38億年から存在しています。バクテリアのような単純な生物が存在する星を発見する確率は80%、電波を出す生物を発見するよりもはるかに確率が高い、ということになります。

 その星にバクテリアのような生物が存在する場合、発見する手立てはないのでしょうか?
 生物学者ジェームズ=ラブロックは「生命は呼吸するだけで、環境に影響を与える」と述べています。 つまり、その星の大気に生命の兆候が現れる、というのです。
 たとえば、地球大気には酸素(O2)が含まれています。 酸素はある生物にとっては不要物として放出され、ある生物にとっては必要なものとして吸収されます。 もし地球に生物が存在しなければ、大気中に酸素は存在しないはずです。

 ヨーロッパ宇宙機構(ESA)は2010年、赤外線による地球外生命探査計画DIRWINを予定しています。 生命探査計画DIRWIN(ESA 2002. Illustration by Medialab)
 DIRWINは惑星大気のスペクトルを観測し、オゾン(O3)が含まれているかどうかを調べます。 オゾンはO2から作られますので、オゾンが存在すれば、大気中に酸素がある証拠になります。
 さらにDIRWINは、二酸化炭素CO2H2O、メタンCH4の存在も調べます。 これらがすべて検出されるなら、その星に生命が存在する確率は極めて高い、といえるでしょう。

 将来的には、具体的な生命の形態についても特定できる(例えば、クロロフィルを検出することによって、光合成を行っているかどうかを調べる)ようになるかもしれません。

本文は英語ですが、ESAのホームページをご覧ください。
また、科学館プラネタリウムでは「宇宙生物を追え!」を投影中です(〜2月28日)。

2003.1.24記

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