結晶実験−塩の実験−
 今回は結晶ができるときのきれいなようすを見られる実験の紹介です。材料があれば、簡単にできますので、ぜひ試してほしい実験です。

さて、その実験とは…。
用意するのは、塩、メチルアルコールかエチルアルコール、水と細長い透明な容器、割りばしです。
細長い容器は、一番いいのは試験管ですが、普通の家にはないですから、ミネラルウォーターなどが入っていた500mlの透明ペットボトルがいいかもしれません。

まず、水100mlに塩を35gとかします。これでくじけてしまわないように。たいへんな作業はこれだけです。
これを用意した細長い容器に入れて、その上からアルコールを20ml程加えます。
すると、塩水とアルコールの境あたりがもわもわした感じになり、雪のように白いものが降りだすのです。見ているととても神秘的な感じです。

液体の中で雪のように降ったのはもちろん塩の結晶。塩が雪のように降り注いだのはなぜでしょうか。ここで作った食塩水は塩の飽和水溶液です。つまりこの水には、これ以上塩が溶けませんという状態です。そして塩はナトリウムイオン(Na+)と塩化物イオン(Cl-)になっています。このとき、これらイオンの周りには水がくっついている(水和)状態ですが、アルコールが入ってくると水はナトリウムや塩化物のイオンよりもアルコールとくっついてしまうのです。そのため、ナトリウムイオンと塩化物イオンは、またお互いがくっついて塩に戻ります。そして、沈殿するのです。

析出する塩が少なくなったら、割りばしで、塩とアルコールの境界面付近をよくかき混ぜてください。また、雪のように塩の結晶がでてきますよ。

それから、この実験で使った水溶液は決して飲まないでください。
 
                                            (2003.8.15記)

                                      

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