『関西おもしろ博物館』

藤井文子
山と渓谷社 1262円+税
博物館のガイドブックは、旅行や美術関係の出版社からいろいろでています。最近は、行政の外郭団体が発行するものも多いようですが、たいていは建物の写真と行き方、料金と開館時間を述べているくらいです。しかも、こうしたガイドは大きな博物館に大きなページをさくという形式になっています。もちろん、そうしたガイドも役にはたつのですが、ちょっとそれではもの足りないこともあるでしょう。

その点、本書は著者がふつうの来館者の視点で、じっくりと博物館を楽しみながら書いていることがよくわかります。必見の展示、光っている展示などのポイントをしっかり押さえてあり、館の写真ではなく、展示物の写真が豊富なのも好感がもてます。また、いくつかの館についてはインターネットホームページのアドレスが欄外に書かれています。もう少し出版される時期が遅ければ、この部分も充実したでしょう。いま、博物館はホームページの開設ラッシュですから。

タイトルの通り、関西の博物館の紹介ですから、他の地域の情報はありません。しかしその分、地元の人でも知らないすばらしい小博物館も紹介されています。関西を旅行するさいにもぜひ持っておきたい一冊です。


科学の本だなへ
科学ニュース・トピックへ
ホームページへ