国立天文台・天文ニュース (521)

池谷さん、明るい新彗星を発見

 静岡県森町の池谷薫(いけやかおる)さんが新彗星を発見しました。

 2月1日午後7時頃、口径25センチメートル・39倍の反射式望遠鏡で、くじら座
に9等級の新彗星を肉眼観測で発見しました。コマの見た目の直径は2分。30分
間に北西に5分の移動がありました。中国河南(ハイナン)省開封(カイフォン)
市近くの張大慶(チャンデキン)さんも口径20センチメートルの反射式望遠鏡で
独立に発見しています。この新彗星にはC/2002 C1の認識符号が与えられました。
発見後いくらも時間が経っていないので、日心軌道はまだ求められていません。
このあと「池谷・張 彗星(Ikeya - Zhang)」の通称になる見込みが大きいと
思われます。

 池谷さんは20世紀最大級の「イケヤ・セキ彗星」など1960年代に5個の彗星を
見つけている大ベテランです。
 日本人による新彗星の発見は2001年11月の「バッターズ彗星; C/2001 W2 
(BATTERS)」以来。池谷さん自身の発見としては1967年の「第2イケヤ・セキ彗
星」以来35年ぶりとなります。

 お二人からの発見報告は以下のとおり

2002 UT R.A. (2000) Decl. m1 Observer
Feb. 1.408 0 08.9 -17 42 9.0 Ikeya
1.47 0 09 -17 30 8.5 Zhang


参照 IAUC 7812(Feb.1,2002).

2002年2月2日 国立天文台・広報普及室