『流れをはかる』

木村龍治
日本規格協会 980円+税
海洋科学研究所の木村教授といえば、知る人ぞ知る、おもしろい先生です。
雑誌ニュートンの編集長の竹内均氏が、その大学院修士論文の発表を見て「日本の地球物理学にスターが現れた」と表した人物であり、名著「 流れの科学」の著者としても知られています。その木村さんが著している多数の著書の中で、本書は「流れの科学」の続編ともいうべき内容です。
本書は「流れとは何か」という問いかけからはじまります。鴨長明の「行く川の流れは絶えずして、、、」の一節を使ってはなしをはじめることからわかるように、ふだん科学と縁がない人でも、感覚から入っていけるように工夫されています。そして、様々な歴史的、あるいは日常的なエピソードをキッカケにして、流れのおもしろさ、流れをどうつかむか(おしはかるか)、流れをどう科学するか、と話を勧めていきます。
そして、何よりも魅力的なのは、身近な材料でできそうな実験をコラムなどの形で差し挟んでいることです。実際、牛乳パックなどを使った実験は、大変楽しいものに感じることでしょう。科学がつまらないと思う人でも、本書の実験をやってみて、ぜひ木村さんと同じように、科学を楽しんで下さい。


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