『つかぬことをうかがいますが…』 |
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ニュー・サイエンティスト編集部編/金子浩訳 |
ハヤカワ文庫 720円+税 |
多くの雑誌にQ&Aコーナーがあります。で、たいてい人気のようです。答えるヒトのパーソナリティを重要した、半ば「人生相談」みたいなのもありますし、専門家が答えるというのもあります。
で、なかには読者が読者に答えるというものもあります。読者のスキルが高いほど、そうしたコーナーがおもしろくなります。編集部やその周囲のヒトが答えるのではすまないような、とてつもないものになることがあるのです。 さて、本書は、ニューサイエンティスト誌のラストワードというQ&Aコーナーを編集して単行本にしたもので、素朴な科学的疑問を、読者がよってたかって答えたものです。シンプルな答えもあれば、専門家がテクニカルタームを使って答えた高度なものもあります。それも複数の答えがあり、その答えにまた答えがあって、、、、というやりとりが本当におもしろい一冊です。 たとえば、くしゃみをすると目をつぶるのはなぜか? とか、雨が降ったときに走るのと歩くのではどっちがぬれないか? とか頭の体操としても面白いものもたくさんあります。超音波を当てるとガスの噴出音が小さくなるのはなぜか? というのはそれで特許をとったヒトから答えがよせられていました。 ということで、本書は、本当に身近な「つかぬこと」の中にさまざまな科学のタネが潜んでいることを気づかせてもくれる本です。科学は日常の中に、いくらでも転がっているんですね。おすすめの一冊です。 |