『学術用語集・天文学編(増訂版)』

文部省
日本学術振興会/丸善 3204円+税
この「学術用語集」シリーズは、ほかにも、物理学、気象学など多数が出版されています。発行もとはバラバラですが、販売は丸善が行っているようです。まず、この本は内容はないです。読む本ではなく本の形式になった「表」です。英和・和英の用語対訳になっていて、意味などはのっていません。本当に味もそっけもありません。その表にこれだけのお金を払うのは、この本が、論文や教科書や書籍を出版するときの用語の基準となっているからです。だから必要な本であって、オモシロイから買うとかいう種類のものではありません。また、一般には理科年表をみれば十分でしょう。
ところで、学術用語集の意義ですが、かつて天文学でも大学や派閥によって、様々な言葉が使われていました。たとえば、惑星と遊星は同じものだったりしますし、うしかい座は、まきお座とも呼ばれていたのです。これではいちいちこまりますので、みんなでおおむねこういう言葉を使おうという目安としてこの用語集は作られています。最近ではだいぶ統一がとれていますが、学術用語は生ものですから、そのうちさらに改訂が必要になるのでしょうね。


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