『地面と月面いま何さい?』

貝塚恭平・白尾元理
岩波書店 1700円+税
絵本の体裁をとっていますが、絵本っぽい図鑑といった方がいいでしょう。

太陽系が誕生したさい、あいついで誕生した地球と月。その年はほぼ同じです。しかし、それぞれの表面の年齢は様々です。本書は、浸食や堆積といった現象から、古い新しいをどうやって見分けるかという基本的な考え方をのべています。

さらに、実際に日本や世界の様々な場所、月面の様々な場所の年齢を探っていきます。特に月面の年齢については、言及している本で入手しやすいものがほとんどないので、本書は貴重です。

なお、本書は最後に惑星を比べるという節を設けていて、金星、火星、水星という地面を持つ惑星の年齢についても簡単にくらべ、一覧表にしています。地球の始生代・原生代・顕生代という地質年代区分にあたるものが他の惑星についても述べられているのは面白いですね。

なお、本書の欠点として、子供向けだからかもしれませんが、参考文献があげられていないのが残念です。著者らが万一勘違いをしていても、それをフォローする類書がないため(特に月面・他惑星)いっそうそのように感じます。


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