『宇宙のさざなみ』

M.ロワン−ロビンソン
シュプリンガー・フェアラーク東京 2136円+税
IRAS(アイラス)とCOBE(コービー)。この2つは共に人工衛星の名前です。そして、両方とも天文学者を「あっ」といわせた成果をあげた軌道天文台なのです。

天文学者たるもの、他の天文学者を「あっ」といわせる成果を一生に一度はあげたいと思うものですが、本書の著者は2度も「あっ」といわせた大変幸福な人です。

さて、本書では、その幸福な著者がIRASとCOBEの計画段階から実際に観測を行って成果をあげていくまでのドキュメントが、バックグラウンドとなる天文学の知識と共に語られています。宇宙のさざなみというのは、宇宙論で予想されておりCOBEが発見した宇宙全体の温度のゆらぎのことですが、その重要性についても、誰でもわかるように書かれています。

他書ではあまり触れられていない内容が生き生きと書かれている本書からは、科学の現場の息吹が伝わってくるようです


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