『SF天文学入門(上)(下)』

福江純
裳華房 1400円と1500円+税
SFは最近はあまりヒットしないそうですが、それでもSF映画の人気は相変わらずです。そのSFを楽しみながら、天文学の勉強をしてしまおうという欲張りな本が本書です。

上が「太陽系・星・ブラックホール」、下が「ダークマター・宇宙論・地球」とテーマが別れており、また各章ごとに読み切り形式になっています。ですから、上巻だけ、あるいは下巻だけ読むのもいいでしょう。

それぞれの章は、SFのシーンをきっかけにした天文学の紹介という形になっています。とりあげられているSFもセーラームーン(SFじゃないと筆者も断っています)や大阪のSF作家の堀晃や山本弘の作品、カール・セーガンやらスター・ウォーズやら、SFファンなら知っているラリー・ニーヴンやホーガンの作品などなど、とても書ききれないほどで、著者の読書のはばひろさにただ驚くばかりです。そして、そこから展開される話しは、まさしく先端の天文学の話題。特に著者が専門とするブラックホールや降着円盤の話しは非常に豊富です。


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