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おおいぬ座 CMa

星座解説 天体解説

 おおいぬ座.
 設定者はプトレマイオス.

 シリウスを中心に輝星がまとまった星座で,分りやすい冬の星座です.

 1等星シリウスについては別項の一等星の解説を参照のこと.

 β星は青色のおおいぬ座β型変光星の代表で,6時間および6時間1分の2つの変光周期を持っており,そのためうなりが生じて約49日の周期も持っているという変光星です. ミラやセファイドよりずっと高温の星でB0.5〜B2ですが,超巨星〜巨星という点では共通しています.










主な恒星
符号 名前 意味 等級 距離
α シリウス  焼きこがすもの -1.5 8.6
スペクトル型:A1Vm.8.5等の白色矮星と実視連星となっています.おおぐま座運動星団
β ミルザム 告知者 2.0 700
スペクトル型:B1II-III.おおいぬ座β型食変光星の代表.0.25日と49日の二重周期を持つ脈動型変光星
δ ウェズン 昇るのが大変な星 1.8 2800
スペクトル型:F8Ia
ε アダラ 処女たち 1.5 430
スペクトル型:B2II
ζ フルド 3.0 340
スペクトル型:B2.5V.分光連星
η アルドラ オリオンのおとめ 2.4 2400
スペクトル型:B5Ia.ガス殻星.
ο2 --- ---  3.0 2200
スペクトル型:B3Iab.激しい質量放出があってHα線の形状は30分程度で変化します.

星雲・星団・その他
M 41 (NGC 2287)
シリウスのすぐ南にある明るい散開星団.アリストテレス時代から肉眼で認められていました.
NGC 2362
巨星の食連星 UW CMa の近くにある散開星団.40個ほどから成り,まだ主系列に達していない非常に若い星たちと考えられています.
 

おおいぬ座の神話

 通常,こいぬと共にオリオンが従えている猟犬とされています.
 この犬は想像上の犬ラエラプスと言われています.ラエラプスは俊足で,どんなに速い鹿でも逃れることはできませんでした.
多くの人がこの犬の飼い主となりました.最後の飼い主はプロクリスで,彼女はアテネのエレクテウス王の娘であり,ヘルメスの息子ケファルスの妻でした.彼女は狩りの女神アルテミスから犬を譲りうけたと言う話もありますが,クレタ島のミノス王から譲り受けたという話もあります.この犬はゼウスがエウローパをさらってクレタ島に連れてきた時にエウローパにやった犬と同じ犬ということです.
 プロクリスはその王から魔法の槍ももらいました.それはいつも的に直進し,決してはずすことはありませんでした.しかし,その槍はプロクリスの命取りとなっってしまいました.と言うのは,狩りの最中に夫ケファルスが誤ってプロクリスを殺してしまったからです.このため,ケファルスは追放されてしまいました.
 ケファルスはやがてボイオティアのテーベスというギリシャの町に現われました.その頃,テーベスはキツネに困っていました.キツネはすばしっこく,とても捕まえることはできませんでした.ケファルスは犬ラエラプスにキツネを追わせました.犬は逃がすまいと追いかけ,2頭の俊足の動物は追いかけレースに入ってしまい,ゼウスが石に変えてしまうまで続きました.ゼウスはその犬を星座としましたが,キツネはそのままでした.