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りゅうこつ座 Car

星座解説 天体解説

 

りゅうこつ座のもとになった今は無きアルゴ座.
John Devis の星図 Atlas Celeste (1645-50) から.

 りゅうこつ座.
 設定者は不定.

 アルゴ船の船底を表しており,4分割されたアルゴ座の最も南よりの部分にあたります.おおいぬ座の南で,わが国ではその一等星カノープスがかろうじて見えます(関東地方より南で)が,全体は見えません.

 η星は星雲型変光星で,大幅な変光を不規則にくりかえしています.この星のある領域は南天の天の川の中にあり,濃密な星雲,暗黒星雲が入り乱れ,η星はそこで誕生したばかりの元気な若い星と考えられています.

 

 

 
主な恒星
符号 名前 意味 等級 距離
α カノープス 人名 -0.7 310
スペクトル型:F0II.全天第2の輝星.
β ミアプラキドゥス 静かな水 1.7 110
スペクトル型:A2IV.8等の伴星と実視連星を成している.その伴星自身は分光連星
ε アビオル (不明) 1.9 630
スペクトル型:K3III+B2:V.食連星か?
ι アスピディスケ 盾,歩兵 2.3 690
スペクトル型:A8Ib.分光連星.オリオン・アソシエイション

星雲・星団・その他
NGC 3372

η星を包む星雲.

NGC 2516

りゅうこつ座の端にある100個ほどの星から成るきれいな散開星団.

NGC 3532

η星の近くにある150星から成る散開星団.

 

りゅうこつ座の神話

  りゅうこつはアルゴ船の船底のことで,それはかつて非常に大きなアルゴ船の星座の一部を表していました.1763年出版されたラカイユの星図ではアルゴ座を3つに分けており,それぞれ,りゅうこつ(竜骨)座,とも(船尾)座,ほ(帆)座になりました.現在ではこれらに加え,らしんばん座がさらに独立しています.
 イヤソンとギリシャの50人の偉大な英雄たちは伝説上の金毛の羊を取り戻すべくアシアの黒海にアルゴ船に乗って乗り出しました.双子のカストルとポリュデウケス(ポルックス)も船の建造者アルゴスと一緒に乗り組んでいました.ヘルクレスも乗組員の一人で,偉大な音楽家のオルフェウスもいました.
 その船は知恵の女神アテネの設計で,ペリオン山から伐採された材木で作られていました.船首はドドナにあるゼウスの神殿ーそこにはゼウスの言葉を聞くよく知られた神託を伝える人がいたーからの素晴らしいオーク材で丸く作られていました.神託所の一部だったので,そのオーク材は話すことができました.そして,航海の準備中ずっと,アルゴ船のへさきのオーク材からは活動を要求する声が途切れなく聞こえてきました.
 アルゴ船の後部だけがアルゴ座としてて描かれていました.黒海の入り口にある通過する船をはさみつぶすという二つの岩の間を船が通過する様子を描いたのでしょうか.