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カシオペヤ座 Cas

星座解説 天体解説

 カシオペヤ座.
 設定者はプトレマイオス.


 W型に並んだ印象的な姿の北天の星座で,夏から冬にかけてよく見える.わが国ではこれを山型星と呼んだ所があったということですが,うなづけます.

 はくちょう座から北に伸びる天の川の中にあり,星雲,星団や珍しい星たちがたくさんです.

 W型のちょうど真中の星γはスペクトルに輝線を示すことで有名で,不規則に変光しています.

 γ星の近くにカシオペヤAと呼ばれる電波源があり,1944年頃からその存在が知られていましたが,1951年に正確な位置がわかり,1572年に出現したティコの新星と同定されました.現在,その付近には残骸がベール状の淡い星雲として観測されています.ティコの新星は超新星でした.

 RZ星はι星の近くにある食変光星で,通常は6.4等ですが2時間ほどで7.8等に減光します.その後,すぐ増光に転じ,2時間で戻ります.周期は1日と4時間41分で,観測しやすい変光星です.

 AO星は2つのO型の巨星から成る連星で,ほとんど接触状態で3.52日で公転しています.

主な恒星
符号 名前 意味 等級 距離
α シェダル 2.2 230
スペクトル型:K0IIIa. 
β カフ 2.3 54
スペクトル型:F2III−IV.たて座δ型変光星で,不可視伴星と分光連星となっています
γ ツィー 1.6: 800
スペクトル型:B0IVe.はくちょう座P型変光星で,11.3等の伴星と実視連星となっています
δ クルバー 2.7: 99
スペクトル型:A5V-IVv.アルゴル型食連星.ヒヤデス運動星団.

 

星雲・星団・その他
M 52 (NGC 7654)
散開星団.赤経23h22m,赤緯+61°20′.ケフェウス座との境界付近にあります.
M 103 (NGC 581)
散開星団.全光度7等.赤経01h30m,赤緯+60°27′.天の川に浮かぶ.メシエ・カタログ最後の天体.δ星の近くにあります.
NGC 7635
泡星雲とも言います.散光星雲か惑星状星雲.
カシオペヤA
電波源.1572年に出現したティコの新星の残骸.





 

カシオペヤ座の神話

 カシオペヤ座のカシオペアはエイティオピアのケフェウス王の后で,美貌を誇り,虚栄心が強く,海の精[女神]のネレイデスより美しいと言ってはばかりませんでした.ネレイデスは海の老人として知られていた温厚な神ネレウスの50人の娘たちでした.カシオペアの言いぐさを耳にしたネレウスは復讐に及びました.ネレイデスの一神アムフィトリテは,今,海神ポセイドンの妻となっていましたので,ネレイデスたちはポセイドンにカシオペアの鼻っ柱を折ってくれるように頼みこみました.ポセイドンは海獣ケトゥスを送り,エイティオピアの破壊に及びました.ケフェウス王はネレウスやポセイドンの怒りを静めるため,娘アンドロメダ姫を海獣の生贄としてささげることにしました.しかし,英雄ペルセウスが活躍して,姫に厄災が及ぶ前にケトゥスを倒し,姫は救い出されました.
 カシオペアには北天で北極星のまわりを永久に回りつづけるという罰が与えられました.そして,彼女は時々逆さまになるという恥ずかしげな姿態をさらすことになりました.