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みなみじゅうじ座 Cru

星座解説 天体解説

 

ケンタウルス座の足元に描かれたみなみじゅうじ座.
John Devis の星図 Atlas Celeste (1645-50) から.

 みなみじゅうじ座.
 設定者はロワイエ.

 南天の天の川にある4つの星が菱形に並んだ姿は印象的ですが,実際眺めてみると意外に小さく感じる人が多いようです.有名なだけに過度の期待感を持って見るからではないでしょうか?この星座はプトレマイオスの時代から知られていましたが,現在ではギリシャやエジプトからは見えません.しかし,歳差による影響を考慮すると2000年ほど前にはわが国やエジプトからも見えていたことがわかります.
 
 プトレマイオスはアルマゲストの中でみなみじゅうじ座の星々をケンタウロス座の後足に配していました.以来,長らくケンタウルス座の一部とされてきましたが,16〜17世紀の大航海時代にヨーロッパの航海者ならびに天文学者によって最初に別の星座とされ,独立して扱われるようになりました.イタリヤの航海者アンドレアス・コルサリはみなみじゅうじ座を「とてもみごとで美しく,他のどんな天の目印もそれに叶うものはなかろう」と書いています.

 
主な恒星
符号 名前 意味 等級 距離
α アクルックス α星 0.9 320
スペクトル型:B0.5IV+B1V.HR4730とHR4731の二つからなり、共にヘリウム星です。多分X線源2U1223-62.
β ミモサ (不明)   1.3 350
スペクトル型:B0.5III.別名ベクルックス.おおいぬ座βのように0.1等程度変光します.連星系か多重星系.
γ ガクルックス γ星 1.6 88
スペクトル型:M3.5II.わずかに変光しているようです.
δ --- --- 2.8 360
スペクトル型:B2IV.おおいぬ座βのように0.1等程度変光します.外層の拡散が観測されています.

星雲・星団・その他
NGC 4755
宝石箱という別名を持った散開星団.50星ほどがあり,天の川のなかでも目立っています.