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黄道第2星座.占星術では金牛(きんぎゅう)宮.
設定者はプトレマイオス.
1等星アルデバランから,ちょうど「>」の形に角が伸びた牡牛の姿です.角の先にあるβ星は,隣のぎょしゃ座にもかかっています.
現在,春分点は隣のうお座にありますが,紀元前4000年-7000年の間は,このおうし座にありました.古くバビロニア時代に設けられた歴史ある星座です.神話については下記を参照してください.
ヒヤデス,プレヤデス,かに星雲,T
タウリ星など多彩な天体が浮かんでいます.電波観測ではたくさんの分子雲が観測されており,活発な領域となっています.このあたりを冬の天の川が流れていることと関係があります.
おうし座の神話
この牛はギリシャの神々の中で最高位にいるゼウス(ローマではジュピター)の数ある恋物語の一つと関連しています.その牛は,ゼウスの熱情によって白い若い雌牛に変えられたアルゴスの娘イオを表しているという話もあります.イオはくじゃく座の神話に登場します.
しかし,若い雌牛を牡牛と見なすのはむずかしいでしょう.もっともらしいのは,エウローペをさらうために牡牛の姿に化けたゼウスを表すと見ることです.エウローペはフェニキアのアゲノル王の娘でとても美しく,タイヤの海岸で女友達と一緒に水浴びをしていました.ゼウスが化けたおうしは彼女らに近づいて行きました.全身真っ白のおうしにエウローペは魅了されてしまいました.おうしが彼女の足元に横たわった時,彼女はその背に乗ってみようという気になって,ひょっと乗ってみました.するとおうしはやおら立ち上がり,波に向って飛び込んでクレタ島まで連れて行ってしまいました.そこでゼウスは正体を明かし,エウローペを口説いたのでした.この結婚によって生まれた息子はクレタ島のミノス王となりました.彼はアリアドネとミノタウルスの話にも登場します.
ゼウスがエウローペの機嫌をとるために贈ったものに,一頭の大きな犬がいました.それがおおいぬ座になりました.
おうし座は非常に広く目だった星座であり,星座の各部にまつわる伝説もあります.おうしの鼻にあたる部分にV字型に集った星たちがヒヤデスとして知られています.伝説によれば,ヒヤデスはタイタン族のアトラスとニンフ・アエトラの娘たちだったということです.彼女らの最年長の兄をヒュアスと言いました.ヒヤスは坊主頭の腕の立つ猟師でしたが,雌ライオンに殺されました.妹たちは彼を深く愛しており,彼の死に悲嘆に暮れていました.彼女らの深い悲しみを哀れみ,神は彼女らを星にしたのでした.
ヒヤデスは赤ん坊だった酒の神ディオニソスを山の洞穴の中で大切に育て上げた妖精たちに同定されることもあります.
おうしの肩のあたりにある星の集団がプレヤデスです.伝説ではプレヤデスはヒヤデスの異母姉妹とされており,父はアトラスで,母親は海の妖精プレイオネです.
プレヤデスは7人の姉妹ですが,6人しか目には見えません.アルキオネは星団の最も明るい星で、他の6人はアステロペ,セラエノ,エレクトラ,マイア,メロペ,タイゲテです.マイアはゼウスにそそのかされて使者の神ヘルメスの母となりました.ゼウスはまたエレクトラとタイゲテとも関係を結んでいます.これらの関係からトロイアとラセダエモンの設立者,そしてスパルタの設立者であるダルダヌスが生まれました.アルキオネとセラエノは,戦いの神アレスがアステロペに強引に言い寄っている間に海神ポセイドンに誘惑されてしまいました.
7人のプレヤデスの中でメロペは人間としての運命を持った恋人がいました.この男は死さえもだましてしまったという悪賢いシシフォスでした.あまりのずうずうしさに罰として,シシフォスは丘の上に上げるたびに転げ落ちてしまう重い石を上げるという作業を永久に続けることを運命づけられました.
7人の姉妹のうちいなくなったのはメロペであるという話があります.と言うのは,彼女はただ一人人間としての運命を持った恋人がいたからです.また,いなくなったのはエレクトラで,アガメムノンのギリシャの軍隊によって滅ぼされたトロイアのできごとに打ちのめされて,姉妹を残して泣きながら離れて行ったという話もあります.
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