15/Jul./2001 新設
30/Jan./2005 更新

京都・祇園祭と星


京都祇園祭・長刀鉾に描かれた星座(二十八宿)を見よう




写真:長刀鉾 (これは、かつて京都駅前アバンティに飾ってあったレプリカの長刀鉾です)

日本の三大祭りの一つである京都の祇園祭は、 7月の1ヶ月間にわたって繰り広げられる京都の夏の風物詩です。
お祭のクライマックスは17日の山鉾巡行ですが、毎年その先頭を行く長刀鉾には、 昔の中国・日本で使われていた星座「二十八宿」(※)が描かれています。
鉾の上の天井の縁を取り巻くように、28の星座が一つ一つ描かれています。 ただし、星座の形は、星図のように正しく描かれてはおらず、デフォルメされています。
宵山、宵々山などの日には、粽などを買うと上にのぼらせてもらえると思いますので(ただし女人禁制)、 機会があればのぼって見てみて、どれがどの星座か当ててみてください。




写真:長刀鉾に描かれた二十八宿。畢宿(おうし座のヒアデス)が見える。




写真解説
奥から、井宿、参宿、觜宿
右から尾宿、箕宿



※※  二十八宿とは  ※※
二十八宿は中国の星座で、天の赤道付近に沿った領域を28に不等間隔に分けて 28の星座が作られています。 月は約27.3日で天を一周することから、一日1宿、一ヶ月で28宿となり、二十八宿が 生れたと考えられています。
 二十八宿は、7宿ずつ4クループに分けられていて、それぞれ4方位(東西南北)や 動物(四神)に対応づけられています。

方位二十八宿の名称四神
東     角(かく)、亢(こう)、てい、房(ぼう)、心(しん)、尾(び)、箕(き)   青龍  
北     斗(と)、牛(ぎゅう)、女(じょ)、虚(きょ)、危(き)、室(しつ)、壁(へき)   玄武  
西     奎(けい)、婁(ろう)、胃(い)、昴(ぼう)、畢(ひつ)、觜(し)、参(しん)   白虎  
南     井(せい)、鬼(き)、柳(りゅう)、星(せい)、張(ちょう)、翼(よく)、軫(しん)   朱雀  


二十八宿の起源は古く、2500年以上前にまでさかのぼることができます。
日本にも古代に輸入されて以来、1300年以上も使われていましたが、明治になり西洋流の星座が主流になると、 使われなくなりました。


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