細くなった金星



 昨年から宵の明星として明るく輝いていた金星ですが、年末ごろから徐々 に高度が下がって、観望できる時間が短くなってきました。1月14日には、 金星が太陽と地球の間に位置する「内合」となり、その前後数日間は太陽に 近いために観望ができなくなります。そして1月下旬からは明けの明星とし て、明け方の東天で明るく輝きます。

 内合の前後は金星が地球にいちばん近づくため、とても大きく見えます。 またこの時期は、太陽からの光を受けた金星を背後から見る位置関係になる ため、三日月のように細く見えます。

 ここに紹介した2枚の写真は、それぞれ2005年12月9日と、2006年1月8 日に撮影した金星です。同じ機材で撮影し、同サイズで並べました。金星の 視直径は12月9日が約40秒角、1月8日が約60秒角で、写真でも随分大きく なっている様子が確かめられます。また、形も細くなっています。
 金星の満ち欠けのようすは、小型望遠鏡でも見ることができます。また内 合に近い時期は、形や大きさの変化が早いので、時々観望してみて下さい。

 なお、昼間に金星を観望する場合は、望遠鏡で太陽を絶対に見てはいけま せん。大変危険ですので、くれぐれも気をつけて下さい。

2006.01.08


撮影データ:
 左:2005年12月9日17時35分 露出:オート 感度:ISO800相当
 右:2006年1月8日17時06分 露出:1/30  感度:ISO640相当
共通データ:
 機材:ニコンD100+科学館屋上50cm反射望遠鏡 直焦点撮影