なにわの天文・史跡めぐり
写真:安倍晴明神社
★安倍晴明神社(阿倍野区阿倍野元町)★
1.「阿倍野」の地と安部晴明
天王寺から南へ走る「チンチン電車」こと阪堺上町線に乗って約10分、
東天下茶屋駅をおりてすぐ東側に位置する神社。祭神は平安時代の陰陽師・
安倍晴明(921〜1005)です。
安倍晴明は、古代からこの阿倍野の地を所領していた豪族阿倍氏の一族で、
この地に生まれたとされています。そして安倍晴明神社は彼の没した2年後の
1007年に創建されました(現在の社殿は1925年再建)。
鳥居の前と境内には彼の誕生地を示す石碑が立っています。
2.安倍晴明
晴明は平安時代の絶頂期、ちょうど藤原道長と同時代の人です。
彼の朝廷内で「天文博士」という役職についていて、、
天文現象をはじめとしたいろいろな自然現象を観察して占いを行い、
その結果を朝廷に報告する仕事としていました。
現代に伝わる晴明伝説は、どれも呪術により邪気をはらうといった話ばかりで、
天文現象をみて占ったという話がほとんど出て来ないのは不思議です。
3.晴明伝説
伝説をみると、晴明は自らの術で天皇や貴族を邪気から守るなどの活躍をし、
その存在はカリスマ的でさえあります。このような伝説は彼の晩年の頃から形成されはじめ、
死後は『今昔物語集』といった説話集や、
浄瑠璃や歌舞伎といった多くの文学・芸能作品に取り上げられて広く庶民にまで知れ渡ります。
ところで、『今昔物語集』の中では、晴明のお父さんの名前は「保名(やすな)」というのですが、
安倍晴明神社の近くにはその名をとった郵便局などもあります
(銭湯もあったが、最近なくなってしまいました)。
また、神社の近くには「阿倍野区晴明通」という町名もありますから、
神社界隈を散歩して、晴明にまつわる町名や店などをさがしてみるのはいかがでしょうか。
4.晴明ブーム
近年、安倍晴明がブームになっています。
晴明が主人公として登場するマンガはベストセラーになっていますし、
本屋さんには晴明や陰陽道の本がたくさん並んでいます。
その影響で参拝客がふえたのでしょうか、
最近、この安倍晴明神社の境内にある石碑などに解説パネルが取りつけられました。
ところで、このブームの中で、多くの人が「若くてカリスマ性のある陰陽師・安倍晴明」
をイメージしているそうですが、実際に晴明が「天文博士」の役職に就いたのは986年で晴明65才の時。
しかも大きく活躍するのはさらにその後のことです。

写真:境内の様子。右から晴明誕生の地碑、安部晴明の産湯井の跡、七夕句碑。最近、それぞれに解説パネルが取り付けつけられました。