蜃気楼は、いろいろな気象条件(気温・日射・風向・風速)がそろわないと出現しません。 <気温>
右のグラフは、大津において蜃気楼発生の記録がある日(私の記録および伴禎氏の琵琶湖の蜃気楼情報の記録による)、および2〜7月の毎日の、気象庁のアメダス大津における最低気温と最高気温をプロットしたものです。 これまで琵琶湖で蜃気楼の出現が確認されたのは左上の赤点のある範囲で、概ね [最高気温] > [最低気温] 2/32+12.5 の場合に限られる。 <日射> 上で書いたとおりよく晴れた日の方が蜃気楼が出現する可能性が高いのですが、曇っていても蜃気楼は出現することがあります。 <風向・風速> 本庄薫氏らの研究によれば、なぎさ公園では、北東方向から風が吹くことで蜃気楼が出現する気温分布になるということです。しかし、アメダス大津の地点では、上記の蜃気楼発生の記録の日時では、西〜北の風1〜2mとなっていることが多いのです。 <視程> 以上の気象条件がそろって蜃気楼が出現していても、視程が悪い、つまり霞んでいれば蜃気楼はよく見えません。 蜃気楼が出現するような下層の気温が低くて上層の気温が高い状態は逆転層と呼ばれ、対流が起きないために空気がよどんで視界が悪くなることがあります。 |