紙ブーメランの歴史


誰が最初にブーメランを紙で作ったのかは分かりません。日本人であるかどうかも分かりません。後に書きますが、少なくとも1986年にはあったようです。


大阪市立科学館の紙ブーメランは、同僚の斎藤吉彦が開発したもので、短冊状の板表紙2枚を十字に重ねホチキスでとめ、翼端に丸みを持たせ上反角をつけたものです。この紙ブーメランの開発には、私、大倉の寄与は全くありません。


大阪市立科学館では、94年に「風は不思議」
というサイエンスショーをやっていて、そこで登場したのが最初だと思います。このショーの開発者は斎藤ですが、創価学園の片桐泉氏の学園ブーメランを参考に試行を重ねたそうです。しかし、なかなかうまく飛ばず、当時かはく(上野の科学博物館)にいらっしゃった佐々木勝浩氏に上反角をつけることを教わったのだそうです。


私は、Onsenの例会や実験教室で紙ブーメランを何回か紹介してます。200710月の例会のとき、4枚羽根のブーメランを最初に飛ばしたのは誰ですかと檀上さんに尋ねられ、科学館の紙ブーメランの開発者は斎藤だと答えていました。
Onsen-MLの例会報告[Onsen:0027639]では、斎藤氏と佐々木氏(3枚羽で翼端に丸みをつけ、上反角もつける)、片桐氏(両面テープで止めた4枚羽だが、翼の後縁を折り曲げる。上反角はないようである)の他に、名倉弘氏のことも報告しています。今年になって再度同じ質問を受け回答していますので[Onsen:0027991]。、ここにまとめておくことにします


私が知る限りでは、紙ブーメランの一番古い記録は名倉氏によるものです。 名倉氏の文章は、もともとは月刊「たのしい授業」に掲載されたもののようですが、それは仮説社から出版されている「ものづくりハンドブック2」という本に収録されています。それによれば、紙ブーメランの発明者は、当時(198586)小学5年生だった小林輝之さんだそうです。


名倉氏はバルサやシナベニヤで十字ブーメランを作って飛ばしていていたそうです。名倉氏の講演会にお母さんと参加した小林さんが、数ヵ月後、工作用紙を十字に張り合わせたブーメランを名倉氏に持ってきて見せたのだそうです。


どうやらこの紙ブーメランには、キリカキや折り曲げのようなものはなく、ただ十字に張り合わせただけだったようです。それでも投げればきちんと戻ってきたそうです(うまく飛ばないときは、羽根を少し内側に曲げると安定すると名倉さんは書いているが)。後に
名倉氏もトギーこと栂井靖弘氏のようにさまざまな形の紙ブーメランを考案しています。


形は違いますが紙ブーメランは、NASAのホームページにも載っているのを見ました。ですから最初の発明者は日本人ではないのかもしれません。最初に紙ブーメランを作った人は誰なのでしょうか?最初に紙ブーメランを飛ばした日本人は誰なのでしょうか?もし、86年以前の情報をご存じの方は教えていただければ幸いです。