2013年8月13日福島測定調査
(大熊町、富岡)
5月末に、避難指示解除準備区域の規制が解除された。現在の規制は、帰宅困難区域と居住制限区域である。このうち帰宅困難区域には入れないが、居住制限区域には立ち入ることができる(一部証明書が必要な模様)。
鳥取環境大学の足利裕人教授の現地調査(放射線量測定、土のサンプリング)に同行し、サーベイメータ(アロカTGS-121)で独自測定した。
現地の高校の先生のアドバイスに従い、郡山から田村市を抜け、大熊町へ向かった。大熊町野上まで行き、サンプリング・計測をおこなった。さらに田村市に戻り、川内村を抜け、富岡町を目指した。富岡町夜の森まで到達し、サンプリング・計測をおこなった。
富岡町は、住居制限区域と帰宅困難区域に分割されている。夜の森はその境界であった。サーベイメータの数字は大熊町野上より上の毎時3マイクロシーベルトオーバーであった。夜の森は、JR常磐線の駅もあるわりと大きな町である。しかし現在は大阪の数十倍の線量で人の住める環境になく、除染活動の人だけがおられた。
国道288号線沿いは、田村市中心部を超えるといたるところに除染された土を入れた袋が置かれていた。持って行きようがないようである。長閑な集落の庭のあちこちに袋が置かれ、そのすぐ傍で生活されていた。
※サンプリングされた土は、スペクトロメータで成分分析される。しかし現地でオンタイムで行うことはできない。
青カーブは、シンチレータ+フォトマルの連続測定。赤棒は、サーベイメータ(アロカTGS-121)。時計を合わせてなかったので、2〜3分ずれている可能性を否定できない。サーベイメータはシンチより高めの値を出す。ホリバのラディと比較するとGMは、ラディが0.2μSv/h以下のときは2〜3倍の値を出していたが、1μSv/hを超える辺りでは数値はほぼ一致していた。これは、検出器の特性。
10時20分頃のピークは大熊町野上。288号はそれ以上進めないので、399号に戻り11時20分から夜の森。車外は社内の3倍くらいの強さがあった。10時50分頃のピークは原因不明。
準備:測定器をビニール袋で保護 |
ホテルには数値が掲げられていた |
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足利さん、測定器をセット |
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GM管も車内で測定 |
除染された土 |
車を停め |
近くで土を採取 |
長閑な風景に除染された土 |
いたる所で積み上げられている |
この先、規制中とのこと |
通行止め規制 |
土を採集 |
トンネルを通るたびに数値が変化する |
富岡町夜の森 |
GM計数管の針が振り切れる |
街中のいたるところに交通規制の看板 |
先に進めなくなった。ここは大阪の数十倍の線量。 |
閉鎖されたGS |
規制は解除されたが人は住んでいない。 |
【雑感】3μSv/hを超えた(針が振り切れた)ところで、測定できなくなりました。検出器に向きを変えて、方向性がないことや、キャップを外してβ線の影響を調べたり、側溝の辺りを念入りに調べたり...と思っていました。ところが、住宅地なのに、ああ、ここには人は住めないんだなあと思うとそんな気になれませんでした。
実際にはレンジを上げ針の振れが5〜6μSv/hに達したのを見ました。車外でちゃんと測定していれば、それ以上の場所が見つかったかもしれません。大阪の数倍程度だろうと予想していたのですが、数十倍だとやはりうーん、と思ってしまいます。