第10回 2008年2月2日
場所 研修室
参加者 6名

筋の復習をして、5章のモット散乱、原子核の形状因子。

59ページに炭素による電子散乱の断面積のグラフが掲げられています。θが大きくなると当然断面積は小さくなるのだけれど、50度辺りからまた増えてきます。この図を見て増井さんがどうして?と質問されましたが、まさにそこが問題なのです!

ラザフォード公式を相対論的に拡張したモット散乱に電子の散乱断面積は従うはずです。しかし実験ではそうはならない。なぜか?ターゲットの炭素原子核が点状電荷(粒子)ではなく、構造を持つからです。θが大きくなるとそのズレも大きくなるのですが、その理由を説明しました。また、そのズレは形状因子に押し込められるのですが、形状因子をフーリエ変換することで、原子核の電荷分布が求まることも勉強しました。

62ページでは断面積がうねうねと振動した図が掲げられていますが、次回はその理由についても解説できればと思っています。