銀(Ag)

 シルバーアロウと言えば、マクラーレン・メルセデス。キミ・ライコネン、今年(2005)は良くも悪くも派手でしたね。とにかく一番速かったけれど、残念ながら、終始安定していたアロンソの方が優勝しましたね。さて、来年はどうなるでしょう…。

 失礼しました、今回はそういう話ではなく、シルバー、銀のお話です。
Agは、ラテン語の「白く輝いている」という意味の言葉から来ているそうです。英語では前述している通りですが、ドイツ語での銀はargentと呼ばれラテン語の言葉からの由来だなということが分かります。
          銀の塊とアクセサリー


 銀は、古くから知られている、白く輝く金属で、炭素や銅、金などのように、誰が発見者かという記録が残っていません。いずれにせよ、発見されてからは、貨幣や装飾品として今と換わらないような使われ方をしてきました。現在でも、銀器、指輪やネックレスなどの装飾品、鏡の反射面やカメラフィルムにと、私たちが良く見たり効いたりするところで大活躍をしています。

 1価のイオンが安定で、様々な化合物が作りますが、アンモニアとも錯イオンを作ってよくとけます。このアンモニアとの錯イオンは、鏡を作るときによくつかわれます。銀を使って鏡を作るというのは、銀の光の反射率が非常に良いためです。鏡の中には、アルミニウムを蒸着したものも多いのですが、アルミよりも銀の方が光を良く反射するということで、良い鏡ほど昔ながらの銀を使っています。

 そして、銀のアクセサリーや食器を使う方が悩むのが、銀の黒ずみ。せっかくの輝きがなくなってしまいます。これは、空気中のイオウと反応してしまうのですね。温泉のイオウ系のところには銀を持っていくのはご法度です。身につけていると皮膚のタンパク質中に含まれるイオウとも反応して黒くなることもあります。
この黒ずんだ銀を元に戻すのには、銀製品をアルミでくるんで塩水でゆでるという方法もありますが、専用のコンパウンドで磨いた方が無難です。
銀の性質
原子量:107.9
密度:10.5g/cm
融点:961℃
沸点:2155℃
電気抵抗率:1.59μΩ・cm
熱伝導率:427W/mK

(2005.10.22記)

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