科学館展示場に1階には、面白いガラス球があります。直径20cm程度のガラス球の中で赤い展示場1階雷のあかちゃん光と青い光が激しく発光しています。ガラス球に手をつけると、手に向かってその光が集まってくるのですが、まるで映画の特殊効果のようです。展示名称「雷のあかちゃん」。これは、真空にしたガラスの中にあるガスを充填して高周波電圧をかけています。

 2色の発光が見られますが、青白い放電をしている球にはアルゴン(Ar)が入っています。 さて、このArですが常温常圧では、無色無臭の気体です。Arは化学反応性が非常に低いため、他の物質とはほとんど化合しません。これは、電子の最外殻軌道に電子が過不足なく充填されているためですが、周期表で、このArの上下に属する元素を希ガスといいます。

 1785年にキャベンディッシュが、空気の組成研究をしている時に何物とも反応しないガスがあると気づいていました。そして、そのガスの量も空気全体の1/120以下であると結論づけています。実際Arは空気中の体積の約0.9%を占めていますから、キャベンディッシュはかなりの精度で実験をしていたことが分かります。そして、そのおよそ100年後の1892年にレイリーとラムゼーという2人のイギリス人科学者が窒素の研究をしている時にArを発見しました。そして、それまで知られていた元素と大きく違い、化学反応性を全く示さなかったことからギリシア語で「怠け者、働かない」を意味するargosから名前をつけています。主な性質としては、沸点−185.9℃、融点−189.4℃となっており、0℃の水100cm3に5.28cm3溶解します。 Arは、希ガスとしては、最も大量に、そして最も安く作られており、電球や蛍光灯中の不活性ガスとして、また金属を溶接する際、金属の表面の酸化を防ぐための保護ガスとしての用途があります。



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