私にはあんまり関係ありませんが、ネオン街というと夜の盛場を指す言葉にですよね。この語源(?)ともなったのがネオンサインもしくはライトです。このネオンサインですが、1910年にパリで点灯して以来、第1次世界大戦後に広告用として普及してきました。現在も、夜にお店の広告用としてたくさん使われるため、夜空に輝く星を見ようとしても見えないという悲しい思いもするのですが…。

  さて、このネオンサインの放電管内部には、ネオン(Ne)という希ガスが入っていますが、Neによって出される色は皆さんご存知の濃いオレンジ色です。その他にも前回紹介したArや窒素、ヘリウム等のガスを封入したものもネオンサインと呼ばれています。もちろん、Arなどのガスが入るとオレンジ以外の色になります。 Ne発見されたのは1898年の事になります。当時、1869年にメンデレーエフが出した周期表について、まだ研究者の間でも疑問の声が出されていた時代です。

 イギリス人化学者ラムゼーはHeとArを発見した後、メンデレーエフの提示した周期表にまだ記されていない新しい元素があるのではないかと推測しました。そして一緒に研究をしたトラヴァースとともに、HeやArの原子量の確定から他にも同じ系列に属する元素があるはずだ、と研究を続け液体Arから分離したNeを発見しました。この時、ラムゼーの12(一説では13)歳の息子が、この元素の名前をラテン語で「新しい」という意味のノーブムにしましょうと提案したそうですが、ラムゼーはもう少し通りのいい同じ意味のネオンにしました。さて、このNe、無色、無臭の不活性ガスです。

 不活性ガスとは、希ガスの別名で、その原子の最外殻の電子軌道が完全に満たされており、周期表の18族に位置します。最外殻の電子軌道に過不足なく電子が存在するため他の元素と化合物を作る事がありません(もしくは非常に作りにくい)。 ちなみに、大阪名物の心斎橋にある第5代目のグリコの電飾、あれもネオンサインでできています。使われているネオン管は7色で合計4460本になるそうです。



周期表トップへ