私たちが生きていく上で欠かすことのできないもの…。いろいろありますね。「水」もその1つです。人体の約60%が水で構成されいる人間が生きていくためには、一日2.5リットルの水が必要とされています。水は酸素と前回お話した水素という元素で構成されています。 人体には、水以外にも酸素を含んでいる構成要素があるので、実は体重の65%が酸素の重量ということになっています。ちなみに、私は、64kgだから、そのうち41.6kgが酸素の重さになります。じゃあ、酸素原子は一体、幾つあるんだろうと計算すると約1.57×10^27個。これは、10億の3乗個といったところでしょうか。気の遠くなる数です。

さて、この人体に欠かせない酸素は、シャーレーとプリーストーリという2人が独立に発見したとされています。両者とも、1774年には発見していたのですが、シャーレーの書いた論文は、出版社がさぼっていたために3年間もほったらかしにされていました。そのため、プリーストーリの論文が先に出回ってしまい、はじめのうちは、発見者はプリーストーリだということにされていたのです。現在では、酸素発見者として、2人の名前があらゆるところに併記されています。ただ、二人ともその当時の中心的な考え方であるフロジストン説に立っていたため、酸素を正しく認識していたわけではありませんでした。その後、酸素の概念を正しく捉えたのは、フランスのラボアジェという化学者です。

酸素は、地球上では最も多く存在する元素で大気中の容積では21%を占め、岩石中の約50%の重量を占めています。大気中の酸素はほとんどが、緑色植物の光合成によって作られています。やがて、この酸素は紫外線や雷によって一部が、酸素原子が3つで構成されるオゾン(O3)となり、地上に降り注ぐ有害な紫外線をカットするようになり、多くの生命体が生きていけるようになりました。

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