「…ひどすぎる借金。」決して、私のことではありません。化学の授業でイオンになりやすい元素を覚えるときに使った語呂合わせです。覚えていらっしゃる方もたくさんいることでしょう。この借金の借のところが実は白金の白がなまった(?)ものです。最後の金はもちろん金=GOLDです。この語呂合わせで、白金や金がイオンになりにくいものの代表であることがわかるのです。

炎色反応
炎色反応。差し入れている
棒の先が白金
 さて、今回の主役白金(Pt)についてみていきましょう。Ptは、不純物ながらも古代エジプトから知られていて、銀の代わりに使われることもありました。広く世間にPtが知れ渡るようになったのは、スペインの数学者・探検家のデ・ウロアが1748年に発表した「南米西海岸探検記」に記されていたことによります。彼は、スペイン人が「ピント川の小さな銀(Platina del Pinto)」と呼ぶ金属について記していました。このことによりウロアが発見者とされています。英語名のPlatinumの語源もここに由来します。

 Ptの性質としては、融点1,769℃、沸点4,170℃、密度21.41g/cm3、つまり、わずか10�儚僂里�たまりの重さが21kgになるということです。銀白色の金属で、貴金属のひとつに数えられます。 非常に細かいPtは、多量の水素や酸素を吸収することができます。水素にいたっては、Ptの体積の100倍以上を取り込めます。この吸収されている水素や酸素は、Ptの中でとても活動的な状態です。そのため、他の物質を酸化したり、還元したりする触媒としての用途があり、自動車の排気ガスをきれいにする触媒などとして使われます。

 現在のPtの生産量は、年間およそ100t。最大の産出国は南アフリカでついでロシアとなっています。生産量の約1/3が貴金属として指輪などによく使われています。また、優れた耐食性から、電極やるつぼ、メッキなどに広く利用されています。3階展示場の燃料電池でも、Ptの網の電極を使用して、酸素や水素の発生及び捕集を行っています。 化学実験では、炎色反応を見せるのによくPt線を使います。Pt線の先端に各種溶液を浸して火にかざし、炎の色を確認するのです。

(うちゅう2002年1月号より)


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