電池の発明

現在私達の生活に欠かせない電池の原型は、1799年イタリアの物理学者ヴォルタによって発明されました。この電池によって人類は初めて安定した電流を手にすることができたのです。電池は電磁気学や元素の発見などの道具となり、それらの知見は後の科学や産業を飛躍的に発展させる一因となりました。また、さまざまな人々によって改良が加えられ、いろいろな形式の電池が開発されました。


ヴォルタの電堆(レプリカ)1799年


ヴォルタの発明した電堆(電池)。銅と亜鉛の板の間に水または塩水を浸した紙(布)を挿入し、幾十にも重ねたもの。電堆の上下を導線でつなぐと電流が生じる。


重クロム酸電池 19世紀後半


ブンゼンとポゲェンドルフが発明した電池。電極に炭素と亜鉛アマルガムを使 っており、1.9〜2.0Vの電圧が得られる。重クロム酸カリウムを入れ減極剤として硫酸電解質溶液に混ぜているが、すぐ減極作用が生じ使えなくなる。


ルクランシェ電池 1887年

1866年、フランスのルクランシェが発明した電池。現在使われている乾電池の原型である。電極に炭素と亜鉛を、電解質に塩化アンモニウムを使っている。なお、この電池は1887年につくられたものである。



ルクランシェ電池内部

ルクランシェ電池の内部にある多孔性の容器。この中に炭素棒を入れ、そのまわりを二酸化マンガンで囲んで正極とする。