03・1・23

「自発的対称性の破れ」で教育基本法改革論議を考える

ホーキングの疑問とゲーデルの不完全性定理

 

斎藤吉彦

 

「自発的対称性の破れ」で教育基本法改革論議を考える

中教審中間報告で教育基本法に愛国心を入れるべきと提言したが、このことについて、人間集団に生じる自発的対称性の破れから考察を試みた。(教育改革通信に投稿)

 

・自発的に対称性が破れた状態は非常に安定

・人間集団に生じる自発的対称性の破れ:集団化

例、ラーメン屋の行列、美術品を美しいと感じようと努力する、米国の対テロ政策、ホロコースト、Mさんは本当に悪者?、なぜこの組合に?

まだ、人間は猿では?

     今世紀の教育課題:集団化本能を制御する

     教育基本法「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する。 第1条(教育の目的)教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」

     内発的な「個の尊厳」がまだまだで、それなしに国を愛する心や国造りに参加する態度の要請、道徳心や伝統・文化の尊重は、いいの?


ホーキングの疑問とゲーデルの不完全性定理

ホーキングの疑問:「人間が正しい物理法則を見つけることができる保障はあるだろうか?」1 斎藤のこたえは「なんとも言えないです。」

 

「正しい物理法則を見つける」→「人間は“人間を知る”」

ゲーデルの決定不能命題Uと似ている、「Uは“Uを証明することができない”」

 

きっちり比較してみた(つもり)

 

ホーキングの疑問:次のAが証明できるか、それともできないか

H(x)を「人間はxを知る」とするとき、A

AH(A)

を満足するもの。Aの存在はゲーデルの対角化定理から可能(ただし、H(x)を陽に書くことが必要)

 

ゲーデルの不完全性定理:「論理式UとnotUは証明できない、ここでUは次式を満足するもの UnotBewU

UnotBewUUとは「Uを証明することができない」

 

ゲーデルの証明には次の補題が用いられている

Aが証明可能⇔BewA)は証明可能

 

H(A)にそんな補題が成立するの?

 

∴なんとも言えない

 

参考文献

1.「メタの世界」うちゅう2002Oct Vol.19 No.7 林晋

2.数学基礎論入門 朝倉書店 前原昭二