科学館談話会2005/01/06
T「飛行機はなぜ飛ぶのか?」議論について
U「大阪の発明」発掘
「飛行機はなぜ飛ぶのか?」議論について
斎藤吉彦
結論:定性的説明は無理
1.ベルヌーイの定理
・ 完全流体定常流の一つの流管で成立する保存則
非圧縮の場合 p+ρv2/2=const.
・ 直感的理解:圧力の大きいほうから小さいほうへ押されて速くなる。
2.翼の原理
次の説明で納得できますか?
・ 翼上下の流速差+ベルヌーイの定理
@ 翼の上と下に分かれた空気が翼の後方で同時再会
A 翼の上の流管が狭まっている。それで上の方が速くなる
・ 空気の運動変化による反作用
@ 翼の後方で流れが下向きとなる
A 翼に沿った円運動を与える向心力
3.なぜ飛行機が落ちないの?
難しいですね。どういうわけか翼の上の方が速くなっているようです。
4.クッタ-ジュウコフスキーの定理
・ 揚力=ρUΓ, where U:物体の前後無限遠方での流体の速度、Γ:循環(物体を含む閉曲線Cに沿った速度の線積分)、ρ:流体の密度
条件:完全流体・非圧縮
導出:ベルヌーイの定理で圧力を求めて物体面に沿って積分(力学U、宮島龍興著、朝倉)
5.なぜ止まっていた飛行機が滑走して浮き上がるのか?
・ 完全流体ではrotVは変化しない→Γ≠0?
・ 粘性を考慮すると、翼の下側にできる渦が剥離する(数値シミュレーション)
なぜ下側なの?
「大阪の発明」発掘
1.石津の風車
2.太鼓機
3.思うこと
・ 創造活動にはある種の飢餓状態が必要
・ 大阪の科学史を庶民生活から高レベルの研究まで有機的に
・ 綿がキーになるか?