10:58 2003/07/03
低学年対象の科学展示は可能か?  

  科学館には多数の低学年児童が来館する。彼らを喜ばすことは簡単であるが、科学的な行為に至らせるにはどうしたらよいか、苦慮している。個人的には「子どもは群れの中でもまれて遊ぶことで、発達段階に応じて様々なことを学ぶ、それでよし」と考えていた。また、年少に科学的な思考を促すのはほとんど無理だろうとも考えていた。ところが、生源寺先生の実践「やじろべえ」1を知り、認識を改めたところである。先生の指導で小学校2年の児童は科学の醍醐味を味わっているようである。つまり、帰納的発見から演繹的推論、実験実証ということを体験している。この実践例は低学年児童対象の展示開発の可能性に示唆を与えるものである。機会があれば低学年対象の科学教室で「やじろべえ」を実施し、児童の反応を確かめたいと思っている。

1.「自然科学と教育 理科ではダメだよ!」日本科学者会議・科学と教育研究委員会編、創風社