みなさま あけましておめでとうございます  渡部@大阪市立科学館です. * この原稿は、使用自由・転載自由・改変自由です 渡部@大阪市立科学館 * ■はじめに  21世紀最初の【星空の連帯】は、早朝の空に月食を見ます。地球の影に月が入る「月食」。いまから2000年前に月食を観察した、ギリシャの哲学者アリストテレスは、月に落ちる地球の影の形を見て、地球は「丸い」ということを確認しました。その地球の形は実は3秒前の姿だったりするのですが、、、。  みなさんは、何を発見するでしょうか? とても大変な時間帯ですが、窓からチラリでも結構です。月食を確認してもらえればと思います。  今回は、3等星の星が月に隠される「星食(せいしょく)」も同時に起こります。 肉眼でもなんとか、双眼鏡ならハッキリ見えます。あわせて見るといいでしょう。 ■第50回【星空の連帯】全国版の参加ガイドです。 ◇目標   皆既月食 ◇観察時刻 1月10日(日)夜中3時40分〜※月が沈む5時すぎまでの1分間×2回      予報では、月食の始まりは 3時42分 終わりは 6時59分です。      皆既月食状態は、4時49分〜5時52分です。 ◇観察場所   1:月が見えればどこでもOK。家の中でみられればベスト。  2:西が開けているほうがいいです。西向きの窓からも観察OK ◇準備  道具:紙2枚に同じサイズの丸を描いたもの。鉛筆、できれば色鉛筆も。時計 (秒針もちゃんとあわせて)。できれば双眼鏡。  防犯:外はぶっそうです。できれば、家でやってください     だめなら、家族など大人の人と一緒にやりましょう。  防寒:暖かくしないと、いい観察ができません。無理をして風邪を引かない     ようにしてください。 ■観 察: 0:月食の時間帯に月を見てみましょう。   欠けているのがわかりますか? 1:全部かける皆既食の始まり か 終わりを観察しよう   皆既月食状態は、4時49分〜5時52分です。   月食がはじまる(かけはじめる)か、終わる(かけおわる)時刻を   測ってみましょう。予報の時刻とどれだけずれるでしょうか?   予報は、実は1分以内の精度であっています。でも、実際には   予報の時刻とちょっと違います。理由は後の「本影と半影」を   読みながら考えてみてください。   ノート:かけはじめ(おわり)    観察者:    観察場所:    かけはじめ(おわり)時刻:    X時X分X秒    感想など: 2:月を眺めて、どんなカタチをしているか見てみましょう。   ただ見るだけでなく、時刻をちゃんと測りながら、スケッチしてみましょう。   また、色はどうですか? 欠けている部分の色が何色か見てみましょう。   真っ暗ですか? 月は自分では光らない天体です。太陽の光があたって   いないのに、何が照らしているか考えてみましょう。 3:月食をスケッチしてみましょう。   特に色に注目。あらかじめ円を描いておいて、   ・どんな形に欠けているのか。   ・欠け際はどういう風に見えるか(はっきりしているか、ぼんやりか)   ・色はどんな具合か   をしっかりチェックしましょう。 4:双眼鏡で見てみましょう。   欠けているフチの部分はどんな感じですか?   また、1:と同じ観察をしてみましょう。   どのあたりから欠け始めるかを見てみましょう。 ######################### ######################## #################### %%%%%%%%%%%% #################### ################ # %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% ################ ############## %┌────┐%%% %% ############# ############ %%%%%│嵐の大洋│%%%%%% % %% ########### ########## %%%%%└────┘%%%%%%%%%%% %% ######## ######## %%%%%%%%%%%%%%%%%┌────┐ %%% ####### ####### %%%%%%%%%%%%%%%%%%%│ 雨の海│%% %% ###### ###### %%%%%%%%%%%%%%%%%└────┘%% % ##### #### %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% %%%% #### ##### % %%┌────┐%%%%%%%%%% %%%%%% % ### #### %%%%%%%│ 雲の海 │%%%%%% %%%%%% %%% ### #### %%%%%%%└────┘% %% %%%%%% %%% ### #### %%%%%%%%%%%%%%%%% %% ┌────┐%%%% ### #### %% %%%%%%%%%%%% %%%% %% │ 晴れの海%%%%% ### #### %%%%%%%%% %%%%%%% └────┘ %% ### #### %%%%%% %%%%%%%% ### #### % ┌────┐ ### ##### │静かの海│ ### ###### └────┘ #### ##### %%%%%%%%%%%%% %%% ##### ####### % %%% % %%% ##### ######## %%%% %%%%% %%% ####### ########## %%%% %%%%%%% ####### ########### %%%%%%%% ########## ############# %%%%%% ############ ################ % ############# #################### ################## ######################### ######################## ################################################################   ノート:かけはじめ(おわり)    観察者:    観察場所:    双眼鏡の大きさ:レンズ直径  mm  倍率  倍    手持ちですか?  手持ち  三脚に固定    かけはじめ(おわり)時刻:    X時X分X秒    色は何色ですか?    感想など: 5:写真を写してみましょう。   スナップ写真(手持ち撮影)でも大丈夫です。コンパクトカメラなら、   ストロボを「発光する」状態にして写します。レンズ付きフィルム   (写ルンですなど)でも撮影できますが、できるだけアップにしたほうが   いいです。なお、ストロボは必要ありません。   できれば、5分ごとに撮影すると、月食の経過がわかっておもしろいと   思います。 6:ビデオに撮影してみましょう。   かんたんに撮影できます。   三脚に固定して、ズームでアップにしてください。デジタルズームは   使わないこと。ただ、月はどんどん動きますから、時々おいかけないと   うまく写せませんよ。   また、何分ぐらいでビデオの画面を横切るかをチェックしてみましょう。 7:多重撮影にチャレンジ   腕に覚えのある人は、一眼レフカメラで連続撮影をしてみましょう。   フィルムはISO100 レンズは適当 絞りはF8   欠けはじめる前は、で1/125〜1/60   なお、皆既状態だと、1秒〜10秒くらいの露出となります。   ・カメラを写せる状態にしてから、巻き戻しノブを巻いて、フィルムを    ピンとさせ、ノブをテープで固定します。   ・そして、底面にある巻き戻しボタンを押し込んだ状態で固定します   (ガムテープと何かのカケラを使って押し込んだ状態にします)   ・あとは、三脚に載せて、5分おきに、シャッタを切って、フィルムを    巻き上げる(巻き上がらず、空転するようにします)   ダメもとでやってみましょう。できれば、部屋の中で練習しておくと   よいです。 ■レポート 0:あなたのことを教えてください。  小学生 中〜高校生 理科の先生 それ以外の先生 それ以外の大人  星空の連帯は   はじめて   2〜3回目   4回以上 1:月食のはじまりか終わりを観察したあなた  何時何分何秒にはじまりましたか? あるいは終わりましたか 2:月食の最中  色は何色でしたか? 月全体は同じ色でしたか? 3:何か感想や意見、リクエストがあれば書いてください。 ■月食はめったに起こらない。 月食は、太陽−地球−月 と太陽の反対側に月がある現象です。 つまり、かならず満月の時におこります。でも必ずおこるわけでは ありません。 これからの月食(日本で見られる本影月食のみ) 2001年7月5日24時前後 部分月食 2002年 なし 2003年 なし 2004年5月5日5時前後 2005年10月17日21時前後 部分月食 2006年9月8日4時前後 部分月食 2007年3月4日8時前後 2007年8月28日19時前後 2008年8月17日6時前後 部分月食 もちろん、月食の時間が短い(数時間)ため、「決定的瞬間」の時に月がのぼっていない(地球の裏側では月食がみられる)ことも あります。 しかし、それにしたって、回数は上の2倍くらいなのです。 満月のたびにおこってもよさそうなのに、、、。 これの説明は難しいのですが、ようは月が動く場所と太陽が動く場所は 「だいたい同じだけれど」ちょっと違う。からなんです。 ■実験:月食の起こりにくさをチェックしよう 満月の時に、地球の影が衝突すれば月食になるんですけれども、 それは、月と地球の影(太陽の反対がわ)が衝突する「交差点でなければ」 なりません。で、交差点は月3個分の大きさしかないのです。 これを想像するために、地球と月の模型を作ってみましょう。 地球を直径8cmの丸いもの(私の手元ではテニスボールくらい) 月を直径2cmの丸いもの(1円玉の大きさくらい) とすると、地球と月の間は、、、2.4mもはなさなければいけません。 2.4m離れたところの地球の影が月におちるように、日なたでチャレンジ してみてください。 ちなみに、地球の直径は1万3000km、月は3500km 地球と月の距離は36万km〜40万kmです。 ■【星空の連帯】WEBページ ガイドのバックナンバーもあります! http://member.nifty.ne.jp/science/hosiren/ http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/~yoshiya/hosiren/