【星連】ファンのみなさま(^0^)/ 渡部@大阪市立科学館です。 今回のテーマは夏の星です。7月12日に、日本中の仲間と一緒に 空を見上げてみましょう。今回は、難しいことは一切やりません。 ただ、ぼんやりと星を探してみましょう。 * この原稿は、使用自由・転載自由・改変自由です 渡部@大阪市立科学館 * ■□ ポイントはここだ!!! 【太陽系の進行方向が頭上に】   観察時刻は、太陽系の進行方向が、ちょうど頭の真上になる瞬間です。   太陽系にのって銀河系旅行をする、正面を見ているのです。 【火星を見つけよう】   探査機が着陸して話題の火星を、自分の目で確かめてみよう 【織り姫と彦星の間の距離を測ってみよう】   え? そんなことができるの? と思うなかれ、できるんデス! 【天の川に挑戦】   郊外に住んでいる人は、ぜひチャレンジして見て下さい。都会でも、双眼鏡を   つかえば確認できるかもしれません。 ■□ では、第8回【星空の連帯】全国版の参加ガイドです。 ▼い つ:7月12日(土)夜10時【注】から5分間以上 ▼どこで:所:南側の空が開けているところがベストです。家からでもOK ▼目 標:夏の星・火星・月・木星・天の川 ▼準 備:  目慣らし:暗闇に目が慣れるのに時間がかかります。できるだけ周囲を暗くします。 また、観察の「前」はサングラスをしておくのも一つの方法です。  道  具:懐中電灯(赤いセロファンか布でおおって光を弱くしておきます)       メモとエンピツ。レジャーシートか寝椅子もあると便利。  防  犯:あまり家から遠く離れなくてもいいですが、適当な場所が       ないのならば、防犯ブザーなどを用意しましょう。       夏はいろいろ物騒です。家の人と一緒にやるのも一法です。  防  虫:蚊取り線香。虫よけスプレーなどを使いましょう。       また、毒虫や毒蛇の出るところには近づかないようにしましょう。 ▼観 察: ・南が開けたところに行きます。   街灯は直視しないようにします。都会ならば、マンションの屋上などが   いいでしょう。ベランダや庭から見る場合は、できれば部屋の灯りは消します。 ・まず、織り姫星を探します。  南を向きます。そして、そのまま、頭の真上を見上げます。  すると、頭の真上に白く明るい星が見つかりますね。それが織り姫星です。 ・織り姫を見つけたら下の星図を頼りに、他の星も探してみましょう * * 七夕後星 * ★織り姫 ×頭の真上 北斗七星 ★(白) (白) * * * サドル * コロネフェロス * アルビレオ * *ジェンマ *プリケリマ * *ラスアルハゲ * ★ ★彦星 ケバルライ * 麦星(オレンジ) (白) *エドプリオル * * * サビク ズベンエカマリ * ヌンキ * * * ★* * * * * * 酒酔星 * ★木星 * シャウラ *(赤) 月 (白・とても明るい) ** * ★ D * 真珠星 ★ サルガス * (青白)火星(赤) 東-----------------------------------南------------------------------------西 ▽織り姫と彦星の間の距離は?  ぱっとみて、**メートル! と言ってしまいたくなりますが、  もうちょっとしっかりはかってみましょう。 ・手をピーンとのばして、指を見ると、その幅はおよそ2度にあたります。  ゲンコツを作ると幅は10度です。これで織り姫と彦星の間の角度をはかります。 ・地球〜織り姫(a)までは25光年  地球〜彦星(b)までは16光年です。  分度器と定規を使って、地球、織り姫、彦星で作る三角形を縮めて  作ってやると、織り姫〜彦星(x)の距離が分かります。 ・また、はさむ角度(X)と距離が2つ分かっているので、三角関数を使うと  x=sqr(a*a+b*b-2*a*b*cos(X))です。表を作っておきます。  角度(度) 距離(光年) |  角度(度) 距離(光年)   20     11     |  36     15   24     12     |  40     16   28     13     |  44     17   32     14     |  48     19 ▽天の川の流れ  田舎ならばカンタンに見つけられる天の川ですが、都会だとちょっとむずかしく 大都会だとまず見えません。ただ、双眼鏡や望遠鏡を使うと、天の川の位置と それからはずれた場所では、星の数が違うことが分かります。  天の川の流れは、七夕の後星〜サドル〜アルビレオ〜彦星〜ヌンキ〜シャウラの あたりです。特にサドルのあたりが見やすいと思います。 ▼解 説:夏の星たち  日本は自然が豊かな国です。周りには草や木や動物たち、山や谷や海など、彩り 豊かな自然がそこかしこにあります。そのためか、星にはあまり注目していなかった ようで、中国の影響があった古典文学以外では、あまり星の和名というのはでてきま せん。しかし、やはり明るい星や目立つ並びは、漁師さんの目印になったりという こともあって、たいてい和名がついています。今回の星図では1等星は全て和名で 書いてみました。 ▽木星がとても明るく見えていますが  織り姫や彦星と光りかたをくらべてみましょう。あまりチカチカしませんね。 これは、木星が近くの星なので、光の束が太く、空気で多少進路を曲げられても 暗く見えないためです。同じことは火星にも言えますが、低いところでは空気の ゆらぎも大きく、多少はチカチカします。 ▽明るい星が多いところ  星図は3等星までの星を載せていますが、やけに明るい星のあるところが集中して いるのが分かります。特に南の低い所に明るい星が多いですが、ここは、私たちも ふくんでいる星の大集団、銀河系の中心方向にあたり、星の数が特に多く見える場所 なのです。  また、色も注目すると、そのあたりには酒酔い星以外は青白い星が多いことに気が つきます。青白い星は、一般に寿命が短いので、このあたりはできたての星が多い ところということになります。 ▽太陽も動いている  私たちの地球は太陽のまわりを回っています。でも、たった400年前の人たちは その証拠がないために、そんなことは信じられませんでした。地球はじっとしていて 太陽が動いていると思っていたのです。  一方、後になって、やはり太陽も動いていることが分かりました。地球や他の惑星 を引き連れて、織り姫星のちょっと横くらいを目指して銀河系の中心のまわりを 回っていたのです。私たちは織り姫さんを目指しているのですね。  でも、織り姫さんも同じように動いているために、将来ある程度は近づきますが、 ものすごく近くなるようなことはありません