◇ 【星空の連帯】1周年のご挨拶 ◇ ひと月に一度あなたの家で開演するプラネタリウム【星空の連帯】も みなさまが入場してくださったおかげで、とうとう1周年を迎えました。 来年には、別館【星連】ホームページも開設する予定です。 今後とも、リピーターが増えることを願っています。 あ、本物のプラネタリウムにもきてね。宣伝費をおとしたら、 てきめんに客の入りが悪いのよ(^^;(渡部 義弥) ** 本稿は、自由に複製・改変してお使いください ** ♪冬の夜空、すいこまれそうさ。光る星ささやきかけるから。 (Go! Paradise|作詞/作曲:和田琢磨 編曲:重実 徹・SWEET BEAT SWING) ■12月の【星連】は,惑星すべて+月を見ようと思います. 水・金・地・火・木・土 までは肉眼で確認できますが、これら すべてが一度に見られます。さらには、三日月が夕空にゲスト参加です。 このすばらしいチャンスを、全国のみんなと共有しましょう。 よくばって、4日間連続の【星空の連帯】です。 学校帰りに、みんな一緒に太陽系の兄弟を探してください。 ◇観察時刻 12月2日(火)〜5日(水)の日没※から20分後〜1時間以内の5分間 ◇観察場所 南西の低空がひらけている場所 ◇準備   筆記用具・できれば望遠鏡かカメラ。 ◇防寒   寒い時期ですので、風邪を引かないように十分注意しましょう。 ※各地の日没時刻(精度は2分くらい) 那覇:17h38m 鹿児島:17h14m 宮崎:17h10m 熊本:17h11m 長崎:17h15m 佐賀:17h11m 福岡:17h10m 大分:17h6m 松山:17h0m 高知:16h58m 高松:16h54m 徳島:16h52m 山口:17h4m 広島:17h0m 松江:16h55m 岡山:16h53m 鳥取:16h50m 和歌山:16h50m 神戸:16h48m 大阪:16h47m 京都:16h45m 奈良:16h46m 大津:16h45m 福井:16h41m 津:16h43m 金沢:16h38m 岐阜:16h40m 名古屋:16h40m 富山:16h35m 長野:16h31m 静岡:16h35m 甲府:16h32m 新潟:16h24m 横浜:16h29m 東京:16h28m 浦和:16h28m 千葉:16h26m 前橋:16h28m 宇都宮:16h25m 水戸:16h23m 福島:16h20m 山形:16h19m 仙台:16h17m 盛岡:16h11m 秋田:16h15m 青森:16h10m 札幌:16h1m 根室;15h43m 小笠原:16h38m ■観察 ◇今回は、5大惑星を一度に観察するのがまず目的です。 簡単な方から見つけていきましょう。 1:金星:南西の空に一番明るく輝いているのが金星です。 2:木星:金星の左上に明るく輝いています。 3:火星:金星の右側、ちょっと離れたところに見えます。金星よりずっと暗い。 4:土星:南東の空高いところで、一番目立つ星です。 5:水星:金星をはさんで、木星と反対がわです。そんなに明るくはありません。 -40度 ★土 月(5日) ★木星 -30度 ・ 月(4日) ・ ___ 金星 ☆ 月(3日) -20度 |___> *火星 | ___> <--- ゲンコツの大きさ 月(2日) | --| のつもり、、、 -10度 ----~ *水星 -------南東-----------------------南-------------------------南西------ ※2つある ・(てん)の東がわは、天王星で、西がわは海王星です。 両方ともみえないけれども、ついでに描いておきました。 ◇月が、空を移動していきます。どんな形なのか、ぜひスケッチしておきましょう ◇月:暗いはずの部分も注目 ◆観察記録用紙 0:惑星を観察するのは? はじめて 2度め 何回も、、 1:日時 月 日 時 分 2:場所 地名: (経度 緯度 )<地図で調べよう 3:誰と観察しましたか? ひとりで? 家族と? 4:見つけられた惑星 自分で、、、、、、 教えてもらって、、 5:月について気がついたことは? 色は 形は 6:感想をひとこと ■望遠鏡での観察 ◇できれば、望遠鏡で観察したいものです。 倍率(※)は100倍くらいでとりあえず一通り見えます。 足場は丈夫なところ、三脚などもしっかりとゆれないようにします。 周りの人は、ゆらさないように、静かにしています(声を出すのはOK) 私の経験では、天候(特に上空の風)にも左右されますが、 土星:環がはっきりみえる。本体の模様はわかるかどうか、くらい。 木星:縞模様がはっきり見える。倍率を下げると衛星が2〜4つくらい見える 時によっては、木星の表面を衛星が通過する様子がわかる。 金星:まぶしい。形がよくわかる。ただし、表面の様子はわからない 水星:形がわかるかどうか。大気のプリズム効果で派手に色がついて見える。 低空では、夕陽と同じように赤っぽく見える。 火星:今の時期は、赤い火の玉のようにみえる程度。点ではないことがわかる。 月:いや〜! とっても(^^)/ おもしろいよ〜! < それだけか? オイ。 惑星と比較するために、ふつうの星も望遠鏡でのぞいてみるといいと思います。 ※倍率は、アイピース(接眼レンズ)を交換して調整できます。 計算式は、望遠鏡の対物レンズの焦点距離÷アイピースの焦点距離です。 たとえば、対物レンズの焦点距離を 800mm、アイピースの焦点距離を 9mm とすると、800÷9=89倍 となります。望遠鏡の対物レンズの焦点距離は 対物レンズのワクのところか、望遠鏡の筒に書いてあります。 反射望遠鏡はレンズではなく凹面鏡ですが同じことです。 ◇デジカメ。カメラで撮影 望遠鏡のアイピースを人間のかわりにデジカメやカメラでのぞかせて 撮影してみましょう。手作りの惑星教材が簡単につくれます。 露出時間は、適当で結構です。うまくいくかどうかチャレンジ! 私の経験では、月・金星・木星はけっこううまくいきます。 もし、写真がうまく写せたら、その写真の感想を10くらいそれぞれ あげて、その説明を試みるという授業もおもしろいかと思います。 ■惑星、という言葉。 惑星ということばは、planet(惑う星)をそのまま訳したものです。 かつて、京都大学の山本一清博士は、遊星という訳をあて、昭和の半ば まで使われましたが、現在は惑星に統一されています。 惑星に対することばは、恒星ですが、これは位置が変わらない星という 意味があります。英語では、fixed star あるいは star です。 太陽は恒星ですが、年間を通して動いていくように見えます。 また、実際には空の星ぼしも何10万年もたつとだいぶ移動がわかりますが、 惑星に比べればその動きは小さなもので、ほとんど無視できます。 ところで、planet が派生した言葉に planetarium があります。 つまり、プラネタリウムであり、これは惑星の動きも正確に現すことが できる機械という意味があります。いまから70年前にプラネタリウムは ドイツで発明されました。また、日本にプラネタリウムを紹介したのは、 遊星という名前を提唱した山本一清氏だったといわれています。 ■コペルニクスも見なかった水星 今回、もっとも観察がむずかしいのが水星です。なぜ見つかりにくいの でしょうか? それは、太陽に一番近いところをまわっているからです。 水星の太陽からの距離は、地球の0.4倍です。つまり、半径1mの円の 上を地球がまわっているとすると、水星は半径40cmの円ということに なりますね。それでは、太陽から一番離れるときは、どのくらいでしょうか これは、みなさんが解いてみてください。図を描けば簡単です。 ところで、水星も地球も太陽の周りをまわっているんだ! といったのは いまから500年ほど前のポーランドの科学者コペルニクスですが、 このコペルニクスさん、水星を生涯に一度も見たことがなかったそうなの です。今回の観測でみなさんは、大科学者コペルニクスを超えられるで しょうか? ■惑星や月をはじめて望遠鏡で見た人は? 天体望遠鏡の発明者のガリレオです。日本でいえば徳川家康の活躍していた 1604年から、自作の望遠鏡でいろいろなものを観察しました。 倍率は40倍ほど、コンパクトカメラのファインダーをさかさまから みたような望遠鏡でした、レンズは4cmでしたが、まともな部分は 2〜3cmくらいだったようです。小学生にも作れるよ。 同じくらいの4cm望遠鏡が、3000円くらいのキット (でもガリレオのより優秀)で販売されています。 連絡先:オルビィス(テレスコハウス大阪) 06-762-1530 月:いろいろなクレーターがあるぞ! 山や谷がある! スゴイ!! 木星:あ、木星にも月があるんだ!! 動いていくぞ、大きな星のまわりを 小さな星がまわるのは自然だよなぁ。地球も太陽のまわりをまわって いるのじゃないかな? そうだ、この星は、おせわになったお金持ちの名前をとってメディチと なずけよう >> いまでは、ガリレオ衛星と呼ばれています。 土星:ん? なんだか耳のようなものがあるぞ、土星の月かな? でも 木星の月と違って動かない。、、、何年後か、、あれ、耳がないぞ!? 見間違えだったのかな? >> 後にホイヘンスが環であると見抜きました。 金星:あれ! 金星って三日月のような形をしているんだ。ねぇお母さん 金星も、満ち欠けするんだよ。 お母さん「そうねえ。三日月型をしてるものねぇ」 え! お母さんの目はとてもいいんだ(実際に見える人もいるそうです ビルなどにかくれる金星を観察すると、丸くないことがわかります) 水星:水星もみちかけするなぁ。 火星:火星も、ちょっとだけ欠けるようだ。 参考文献:岩波ジュニア新書282 若松謙一・渡部潤一著 「みんなで見ようガリレオの宇宙」650円 ISBN4-00-500282-X オススメの本です。 1997/12/01 Yoshiya WATANABE @ Science Museum of Osaka