さそり座の異変3

さそり座δ星の異変続行中

  さそり座の頭にあたるδ(デルタ)星が今までになく明るくなっています。

  さそり座δ星の異変については去年一昨年とお知らせしていましたが、 今、さそり座の一等星アンタレス(1.1等級)に迫るくらいの明るさ(1.6等級)になっています。
  さそり座δ星がなぜ明るくなっているのかはまだはっきりしていませんが、 似たようなことは1937年にカシオペヤ座のγ(ガンマ)星でも起きています。
  どちらも老年期に入った巨星で、スペクトル型はB0、自転速度が速い、という特徴があります。 カシオペヤ座γ星の場合はもともと2.3等級だった星が、3ヶ月ほど1.6等級になり、その後は 3.0等級まで落ち込みました。そしてもとの明るさに戻るのに3年ほどかかっています。

  さそり座δ星の場合、2年間にわたって明るくなってきているわけで、 カシオペヤ座γ星と明るくなるメカニズムが同じなのか違うのか、この後どのように明るさ が変化していくのか、興味深いところです。

 さそり座は夏の星座ですが、2月のこの時期には、明け方(日の出前) の南東の空に上ってくるのを見ることができます。朝早起きをすることがありましたら、ご 覧ください。
記:2002.2.10

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