星の誕生が作る竜巻

M8干潟星雲に生じた竜巻(?)

M8干潟星雲(A. Caulet (ST-ECF, ESA) and NASA)

 この見事な写真は、HSTが撮影したM8「干潟星雲」(距離5000光年;いて座)の中心部です。

 ここは星が誕生している現場です。 黒っぽい雲のところが星の材料となる濃く冷たいガスが集まっているところ、 明るいところは新しく生まれた星からの強烈な光によって温度が高く密度が低くなった場所です。

 冷たいガスと熱いガスが混在し、星からの強力な光が熱を加えているため、 星雲の中は乱流になり、竜巻のような構造ができています(写真では黒っぽい煙突のような形になっています)。 

 こうした星雲を詳しく調べることによって、星がどのような環境で、どのように誕生してくるのか、 を解明できるため、天文学者は精力的に観測を行っています。
 

★原文は英語ですが、ヨーロッパ宇宙局のプレスリリースをご覧ください。


※いて座にはあまり明るい星はありませんが、8月中旬の午後9時ぐらいの真南の空に見えています。 M8「干潟星雲」はさそり座との境辺りの天の川の中にあります。 望遠鏡や双眼鏡を使うと、美しい姿を見ることができます。

2004.8.5記(石坂

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