アンタレス食予報

3月30日の深夜、アンタレスが月に隠される

 2005年3月30日深夜、正確には日付がかわって31日の0:26〜1:32に、 月がさそり座の赤い一等星アンタレスを隠します。

 恒星が月に隠されることを恒星食といいます。 月は視直径が30分角ほどあり、公転のために恒星よりもゆっくりと日周するので、 時々恒星の前を横切っていきます。 これが恒星食です(ちなみに太陽の前を月が横切ると「日食」となります)。
 比較的頻繁に起きる現象ですが、アンタレスのような一等星が隠されるのは珍しいことです (日本で一等星の食が観察できるのは6年ぶり、次回は2013年8月12日のスピカ食まで見やすいものはありません)。

 方角は南東、潜入時の高度は11°、出現時の高度は20°と低空です。 月齢が20.2と明るいので、望遠鏡や双眼鏡を使うと見やすいでしょう。
2005年3月31日0:26-1:32の月の動き[ステラナビゲータにより作成]
アンタレス食の経過[ステラナビゲータにより作成]

 深夜のことですし、寒いかと思いますが、晴れていたらご覧になってみてください。 特に、出現時(1:32)がおすすめ!です。
 月のゆっくりとした公転を実感できる貴重な機会だと思います。


2005.3.6記(石坂

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