月のクレーター:コペルニクスとティコ

"小粒"でも目立つ、コペルニクスとティコ

 月齢とともに、欠け際は移動し、見やすいクレーターも変わってきます。
 下の写真は月齢9.8の月です。 前回報告した月齢6の月と比較してみてください。

 「コペルニクス」や「ティコ」は比較的小さなクレーター(コペルニクスは直径93km、ティコは85km)ですが、 縁がシャープで目立っています。 コペルニクスやティコは比較的新しいクレーターで、形成されたのはコペルニクスが1億8000万年前、ティコが約1億年前、と推測されています (月ができたのは45億年ほど前、月の海が形成されたのは30億年ほど前のことです)。

 コペルニクスやティコの周りには、放射状の白い筋「光条」も伸びているのが見えます。 光条はクレーターをつくる巨大小惑星の衝突によって白っぽい岩石が飛び散ったものだと考えられています。 とても激しい現象だったはずで、地球からも明るく見えたことでしょう。

 コペルニクスやティコができる瞬間を恐竜たちは眺めていたのでしょうか・・・?

月のクレーター(2005年1月20日20:33)

●撮影データ:
  日 時:2005年1月20日20:33
  機 材:10cm屈折望遠鏡+NikonD100(直焦点法)
  備 考:ISO800相当、シャッター1/200秒
  撮 影:石坂千春(科学館学芸員)


2005.3.18記(石坂

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